犬に流動食を与える目的とは?流動食の与え方・作り方を紹介!
老犬に流動食を食べさせる目的
老犬は噛む力や飲み込む力が弱っているので、ドッグフードを与えても食べない、もしくは少ない量しか食べたがらないことがよくあります。
食べ物をよく噛めなかったり、上手く飲み込めない状態になると、喉に食べ物を詰まらせて窒息してしまう可能性も高いです。
このような時は流動食を与えると良いでしょう。
流動食を与えるメリット
流動食は固形物がなく、噛まずに食べることができる食事のことです。
特に老化で歯が悪くなっている老犬は、固形の食事を取ることが難しいため、食べやすい流動食がおすすめです。
その他にも流動食には様々なメリットがあります。
飲み込みやすい
老犬になると、食べものを飲み込む力も衰えてきます。
そのため、固形のフードは食べづらく、吐き戻してしまうことがあります。
柔らかい流動食であれば、飲み込むことが難しい犬の負担を軽減してあげることができます。
水分補給ができる
老犬になると水分補給あまりしなくなってしまうことがあります。
水分を多く含む流動食は老犬に水を飲ませるという意味でも効果的です。
消化に良い
年を取ると、消化器官も衰えてきてしまいます。。
そのため、通常のドッグフードだと消化しきれずに下痢になってしまったり、気分が悪くなって嘔吐してしまうこともあります。
流動食は消化器官への負担が少ない食材を、飲み込みやすいようにドロドロにした状態になっています。
食べることによるストレスの軽減
上手に食事が取れなくなってしまうと、食事自体がストレスになってしまうケースも少なくありません。
流動食なら食事の際の負担を軽減できるので、食べることに対するストレスも減らせるでしょう。
犬の下痢に流動食は良い?
流動食は消化に良いので、下痢の時の食事にも最適です。
下痢になる原因
犬が下痢になってしまう原因は、人と同じように食生活が影響していたり、お腹が冷えてしまったりなど様々です。
食生活が原因の下痢の場合は、ドッグフードの脂肪分が多いことなどが考えられます。
低脂肪のドッグフードを選んで胃への負担を軽減させることで予防できるかもしれません。
下痢の犬に流動食を与える際の注意点
簡単にあげることができる流動食ですが、注意すべきこともあります。
お腹が冷えないようにする
ドッグフードをふやかすなどして流動食を手作りする場合は、ぬるま湯を使うのが基本です。
お腹が冷えないように温かい食事を与えてましょう。
量を少なめにする
下痢の時の食事量に関しては、よく食べる子であっても、普段より少なめの量を与えてください。
いくら消化に良い流動食でも、量が多くなってしまうと消化器官に負担を与えてしまいます。
少しでも下痢を改善するためにも、与えすぎには注意しましょう。
病院へ連れていく
下痢の場合は自力で治そうとせず、病院へ行くのも忘れないでください。
特に腸内環境の悪化が原因の場合は、善玉菌を増やす薬や整腸剤などを貰えるので、下痢を早く治すことができ、犬への負担も軽減できます。
スポイトで与える
食欲がある場合は、スプーンなどで流動食を与えても問題ありませんが、食欲がない時は強制給餌となります。
しかし、強制給餌は与え方が下手だとなかなか食べてくれません。
強制給餌をする際に良い食べさせ方はどのような方法なのでしょうか。
スポイトやシリンジを使用する
一番スムーズに給餌できる方法は、『スポイト』や『シリンジ』などの道具使った方法です。
シリンジは、注射器の針がない状態のものをイメージすると良いでしょう。
シリンジはペットショップでも購入できます。
流動食の与え方
流動食を与える時にも、犬の姿勢やスピードなど、注意すべきことがあります。
犬の姿勢
流動食を与える際は、愛犬の頭を横向きにして与えてあげましょう。
そうすることで食事がスムーズに胃まで流れるようになり、飲み込む際の負担を軽減できます。
そして、流動食を注射器に入れ、直接愛犬の口元に持っていって少しずつ注入しましょう。
あせらずゆっくり与える
食事がストレスなら早く終わらせてしまった方が良いと感じるかもしれませんが、逆に窒息してしまう可能性があるので避けましょう。
食べ終わるまでに15分以上も時間がかかる場合がありますが、あせらずゆっくりと与えましょう。
しかし、食事には体力を使うので、手早く終わらせてあげることも大切なこととなります。
必要なものは事前に手元に準備してから食事を与えるなどの工夫をすると良いでしょう。
こまめに水を与える
飲み込む力が弱っている子に対して強制給餌をする場合は、ちゃんと飲み込めていない場合もあります。
そのため、こまめに水を飲ませるようにしましょう。
また、強制給餌は流動食や水が口からこぼれてしまうことも少なくありません。
タオルや汚れふきシートなどを手元に準備しておけば、片付けもスムーズに終えられるのでおすすめです。
犬が流動食を嫌がる場合
犬が流動食を嫌がる場合も少なくありません。
理由はそもそも食べたくなかったり、シリンジが嫌だったりと様々です。
そこで場面ごとに食べたがらない場合の食事法について紹介していきます。
食欲がなくて食べたがらない場合
食欲がない場合、先ほど解説したように、老化で消化・嚥下能力が落ちてしまっていることが考えられます。
この場合無理に食事を与えてしまっても、ストレスになるだけです。
一旦食事をやめるようにし、気分が向いたら与えるのがベストです。
カテーテルで与える
それでも食べたがらない場合はカテーテルなどの手段も検討しましょう。
カテーテルとは、鼻やお腹から、食道や胃まで食べ物を強制的に与えるチューブです。
獣医により、できるかどうかの判断がされます。
シリンジを嫌がる場合
犬の中には口元を触られたり、シリンジを怖がったりして強制給餌を嫌がる子も少なくありません。
場合によっては暴れることもあります。
その場合は、シリンジの入れ方を工夫し、嫌悪感をなくしてあげることが大切です。
シリンジの入れ方の工夫
シリンジを使うときは、犬歯の裏にシリンジを差し込んで与えると良いでしょう。
真正面からシリンジを差し込もうとすると、恐怖を感じたり、直接喉に流動食が入ってくる感じがしてむせてしまったりすることがあります。
愛犬が飲み込みやすいように工夫をしてシリンジでの給餌を行いましょう。
犬に流動食を手作りする方法
流動食は市販のものもありますが、味が気に入らなくて食べてくれないことも少なくありません。
そんなときは流動食を手作りして、今まで食べてきた味と変わらないものを与えてあげましょう。
流動食の作り方
流動食の手作り方法はとても簡単です。
- ドライフードをひと肌程度のぬるま湯に浸し、柔らかくする
- いつものドッグフードと少量のぬるま湯をミキサーに入れて、ペースト状になるまで混ぜる
- ぬるま湯を入れ、食べやすい硬さになるまで調整する
- シリンジに入れる
ミキサーに掛ける目安として、シリンジに入れても詰まらない程度が理想でしょう。
水の量に注意する
流動食を作る際は水の量に要注意です。
とりあえずペースト状になれば良いわけではありません。
犬が食べやすいかどうか様子を見ながら少しずつ足していき、水の量を調節しましょう。
水が少なすぎると飲み込みにくく、逆に多すぎると味が薄くなってしまうだけでなく、摂取すべき栄養が薄まり食事の量も増えて負担になってしまいます。
犬に合った栄養を意識する
流動食を手作りする際のポイントは、高カロリー低脂肪を意識することです。
老犬にとって食事は体力を使うものであり、少ない回数で栄養をとれるように工夫する必要があります。
病院を受診した際に1日の摂取カロリーを確認し、それに合わせた食事を準備してあげましょう。
愛犬に合った食事を与える
肥満気味の犬に高カロリーのものを与えると、消化不良を起こしてしまうことがあります。
肥満気味の犬に対しては低カロリーのドッグフードを与えるなど、愛犬にあった食事を与えましょう。
病気に合わせた栄養を与える
老犬は病気にかかっていることも少なくありません。
そのため、病気に合わせた栄養のとり方も意識して流動食を作りましょう。
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