犬の耳掃除のやり方を解説!耳掃除の手順・必要な道具の選び方を紹介
犬の耳掃除の頻度
愛犬への日々のケアとして、耳掃除は必要なのでしょうか?
犬の耳は鼓膜の前でカーブしているため、耳掃除が苦手な人も多いようです。
犬にとって定期的な耳掃除が必要な理由や、耳のトラブルを抱えやすい犬種などを紹介していきます。
耳掃除をしないとどうなる?
定期的に耳掃除をしないと、『外耳炎』のリスクが高まります。
外耳炎が起こりやすい
犬の耳はL字構造で、湿気がこもりがちです。
湿気で耳垢が増えると、マラセチアや黄色ブドウ球菌などの常在菌が増殖し、外耳炎を発症しやすくなります。
外耳炎の症状
外耳炎が発症すると下記のような症状がでます。
- 耳垢の量が増える
- 耳垢の色が茶色や黒くなる
- 耳が痒くなる
- クサイにおいがする など
外耳炎が悪化すると手術が必要になることもあるため、心配な時は病院できちんと診察してもらいましょう。
外耳炎が発症しやすい犬種
垂れ耳で通気性のよくない犬種、耳道が狭い犬種は外耳炎にかかりやすと言われています。
垂れ耳の犬種 | ゴールデンレトリーバー、トイプードル、ミニチュアダックスフンド、アメリカンコッカースパニエル、シーズー など |
耳道が狭い犬種 | フレンチブルドッグ、パグ など |
外耳炎の発症リスクを抑えるには、定期的な耳掃除が有効です。
特に梅雨など湿気が多い時期は、定期的にケアをして耳の中を観察してあげましょう。
犬の耳掃除の頻度は?
過剰な耳掃除は皮膚の保護機能を弱めるため、月に1・2回程度が良いでしょう。
一度で全部きれいにしようとせずに、無理のない範囲でケアをすることが大切です。
犬の耳掃除の道具
犬の耳掃除に必要な道具や便利なグッズ、その選び方を紹介します。
コットンを準備する
耳の中の皮膚は、とても繊細です。
耳掃除の際には、耳を傷つけないようコットンを準備すると良いでしょう。
外から見える耳の汚れを軽く取り除いたり、後述する掃除用の便利グッズと併用して使うようにしましょう。
耳掃除の便利グッズ
耳掃除の便利グッズには、耳掃除用のシートや犬用の洗浄液があります。
耳掃除用シート
洗浄液が染み込んでおり、ウェットティッシュのように手軽に耳掃除をすることができます。
耳用洗浄液
耳の中に洗浄液を入れ、耳を優しく揉むことで汚れを取り除くことができます。
『イヤークリーナー』や『イヤーローション』がこれに当たります。
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(写真のワンちゃん・・・nico.life_labra.lifeさんのにこちゃん)
便利グッズの選び方
掃除の手軽さや、犬の性格などに合わせてグッズを選びましょう。
掃除の手軽さで選ぶ
コットンやシートタイプの耳掃除グッズは、愛犬の耳が汚れていると気付いた時に、手軽に汚れを拭き取ることができます。
垂れ耳や耳道が狭い、耳垢が多い犬種は、しっかりした掃除ができる洗浄液タイプを使うと良いでしょう。
犬の性格や肌への影響で選ぶ
耳掃除や掃除グッズの香りが苦手であれば無香料タイプ、肌が弱い子ならアルコール不使用タイプを選びましょう。
いたずら好きで耳を舐める心配がある時には、天然成分由来のタイプがおすすめです。
耳掃除のやり方
耳掃除グッズそれぞれのやり方と、注意すべき点をご説明します。
耳掃除のやり方
コットンや掃除用シート、洗浄液を使った耳掃除のやり方を解説していきます。
コットン
「耳垢の量が少ない」「炎症がない」状態であれば、健康な状態で自然に出てきた汚れです。
そのような汚れであれば、耳の皮膚と耳道の入り口付近をコットンで優しく拭き取るようにしましょう。
耳掃除用シート
洗浄液が染み込んだシートで、耳の皮膚と入口付近の汚れを優しく拭き取りましょう。
消毒用のアルコールは、皮膚の保護機能や、皮膚を守る常在菌を死滅させてしまう恐れがあるため、必ず犬用の耳洗浄液を使用するようにして下さい。
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(写真のワンちゃん・・・h.nao_hamuさんのハム太郎くん)
耳用洗浄液
洗浄液を使う時の基本的な手順は次の通りです。
- 犬の体を後ろから保定する (正面からだと警戒するので、後ろから頭をホールドします)
- 洗浄液を耳の中に入れる(洗浄液の種類によって適した量が異なります。説明書きに従った分量を注入してください)
- 耳の付け根を外側から揉む( 洗浄液を耳の中に行き渡らせ、汚れが浮き上がるように、耳を押さえて外側から数分間揉みます)
- 液を拭き取るか排出させる( 耳の中に残っている液をコットンで軽く拭き取るか、頭をブルブル振るわせて排出させます)
洗浄液(イヤークリーナー)を使用した際は、犬の耳にかゆみなどの変化がないか等を確認するようにしましょう。
ここに注意!
強くこすると繊細な皮膚を痛めるため、優しく拭き取ります。
綿棒は耳を傷つける恐れがあるため、使用は避けましょう。
また、耳の奥まで掃除しようとすると、逆に汚れを押し込んだり、耳道を傷つけたりすることにつながります。
掃除は耳道の入り口までにとどめましょう。
犬が嫌がる場合
犬が耳掃除を嫌がる理由と、対処法をご説明します。
耳掃除を嫌がるのはなぜ?
犬が耳掃除を嫌がる理由は、主に次の4つが考えられます。
- 頭を固定されたくない
- 耳を触られたくない
- 過去に耳の治療で嫌な思いをした
- 耳にトラブルがある など
愛犬がどのケースに当てはまるかを考え、それに応じた対策をしましょう。
耳掃除を嫌がる時の対処法
ここでは、4つの嫌がる理由の対処法を紹介します。
頭を固定されるのが嫌
耳掃除の時は頭を固定してじっとしている必要があるため、苦手な犬は多いようです。
耳のマッサージを交えながら掃除をする、またはご褒美のおやつを用意するなどの対策をしましょう。
耳に触られるのが嫌
まずは、耳に触ることに慣れてもらうことが大切です。
スキンシップをとりながら耳周りに触ることを繰り返し、慣れてきたらきちんと耳掃除を行うようにしましょう。
過去に嫌な思いをした
過去に耳の治療を受けたことがある犬は、その経験からストレスを感じたり、怖がるといった反応を生んでいる可能性があります。
このような時にも、少しずつ耳を触ることに慣れさせることが大切です。
おもちゃ等を咥えている際に、触っても嫌がらない場所から徐々に慣れさせ、耳を触ることが出来たら褒めてあげましょう。
耳にトラブルがある
耳にトラブルがあると、触られると痛みやストレスを感じ、耳掃除を嫌がるケースがあります。
耳の状態や犬のしぐさに変化がないかを確かめ、異常があったら耳掃除はせず、動物病院で診察を受けましょう。
耳掃除は病院でやってもらえる?
爪切りなどと同様、病院やサロンでは耳掃除だけでも対応してくれます。
病院で耳掃除をしてもらうメリットや、かかる料金の目安をご説明します。
病院で耳掃除をするメリット
病院やサロンで耳掃除をしてもらうメリットとして、次の点があげられます。
耳のトラブルを確認できる
病院で耳掃除をしてもらうことで、耳のトラブルを早期発見することができます。
犬種によっては外耳炎など耳の病気にかかりやすいため、定期的に通うことで予防になるでしょう。
正しい耳掃除の知識が身に付く
耳の中は非常に繊細なので、掃除をする際には注意が必要です。
耳掃除のやり方に慣れていない方であれば、病院やサロンで耳掃除の正しいやり方を指導してもらえます。
プロの指導で犬の耳を傷つけず、衛生を保つ耳掃除のやり方を学ぶことができるため、初心者や不安な方にはオススメです。
病院やサロンでの耳掃除料金
病院の場合、診察料が別途かかりりますが、耳掃除の単品料金は500~1000円程度と安価なものが多いようです。
また、病院・サロンともにコースに耳掃除が含まれているケースもあります。
治療が必要なトラブルが見つかった際には、料金がプラスされることもありますが、早期で処置ができることもメリットと言えるでしょう。