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犬の尿路結石の危険とは?尿路結石の原因や再発防止のための対策

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犬の尿路結石は食事が原因?

犬の尿路結石は食事が原因?

人間と同様に、犬も尿路結石になってしまうことがあります。

ここでは犬の尿路結石に原因について紹介していきます。

尿路結石とは?

尿路結石とは、腎臓と膀胱をつなぐ尿路に結晶ができて石となり、尿路を傷つけたり詰まったりする現象のことです。

結石の種類として、下記のようなものが挙げられます。

  • ストラバイト結石
  • シュウ酸カルシウム結石
  • シスチン結石
  • 尿酸結石 など

結晶の成分は、主にリン・カルシウム・マグネシウムなどのミネラル類です。

遺伝が原因となるケース

尿路結石の原因は様々ですが、その一つとして尿路結石ができやすい遺伝的体質を持つ犬種が挙げられます。

尿路結石になりやすい犬の代表例として、下記のような種類が挙げられます。

犬種 結石の種類
ダルメシアン 尿酸塩結石になりやすい
ミニチュアダックスフンド シスチン結石を作りやすい
ミニチュアシュナウザー
ヨークシャーテリア
シーズー
シュウ酸カルシウム結石を作りやすい

尿のPHが原因となるケース

尿のPHは7.0を基準とし、それよりも大きい数値であればアルカリ性、小さい数値であれば酸性となります。

犬の正常な尿のPHは6.2~6.4前後のやや酸性に寄っています。

細菌感染により尿内のPHが変化して、アルカリ性の状態が続くと、ストラバイト結石ができやすくなります。

酸性でも生成される結石があるため、PHはやや酸性に保たなければなりません。

水の摂取量を増やす

PHをコントロールするには食事の見直しも必要ですが、普段から水の摂取量を増やすことが重要となります。

水分の摂取量が少ないことも、尿路結石の原因になるので、愛犬にはいつでも新鮮な水を飲めるような環境を用意してあげましょう。

水分が少ないと尿が濃縮され、尿路に結晶ができやすくなるのです。

★尿のphをコントロール!
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食べ物が原因となるケース

ごはんの種類によって尿路結石ができてしまうこともあります。

下記のようなミネラル類を摂りすぎると結石ができやすくなります。

  • リン
  • カルシウム
  • マグネシウム など

かぼちゃ・りんご・いわしなどの食材は、シュウ酸を多く含むので控える必要があります。

特にミニチュアシュナウザー・ヨークシャーテリア・シーズーといった犬種には、食べてはいけないものとして摂取を控えなければなりません。

リンを多く含むハムやささみなどの摂りすぎも、尿路結石を引き起こすことがあるため、愛犬の好物でも与えすぎないようにしましょう。

▼犬が食べていいもの・食べてはいけないものについての記事はこちら

尿路結石は死亡例もある

尿路結石で犬の死亡例もある

犬が尿路結石になってしまった場合、どのような症状が出るのでしょうか。

尿路結石の症状

尿路結石ができると、下記のような症状が出ることがあります。

  • 頻尿になり、しかも毎回長時間力んでも少しずつしか尿が出ない。
  • 決められた場所で排尿せず、床に粗相をしてしまう。
  • 排出された尿を観察すると、濁っていたり血が混じっていたりすることがある。
  • 発熱や食欲不振を伴うことがある。 など

中でも特に心配な症状は、ぐったりとして動かなくなったり痛そうにしたり、吐き気を感じてしまうことです。

何日間も全く尿が出なくなるときや、下腹部を触ってみて硬いしこりがあるときも、危険な兆候と言えるでしょう。

深刻なケースでは手術が必要

尿が出なくなったら、結石が尿路に詰まって尿路閉塞を起こしている可能性が高いので、尿毒症や腎不全などの深刻な事態に陥りかねません。

こうした疾病が原因で死に至ることもあります。

尿が出ていない場合には、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

手術しないと命にかかわると判断されたら、その場で手術を施すことになります。

ペット保険に加入していない飼い主は、請求される手術の費用も高額になるかもしれません。

再発してしまうことも

手術をしても、下記のような尿路結石の原因となる病気がある場合、その病気が完治しないと尿路結石が再発してしまうことも多くあります。

  • 糖尿病
  • 尿路感染症
  • 前立腺疾患
  • 腫瘍性疾患 など

薬で治療できる?

尿路結石は薬で治療できる?

犬の尿路結石は治療薬や食事によって、治療していくことができる場合があります。

治療方法は結石の種類や症状によって異なります。

薬物療法でも治療できる場合がある

結石の種類によって、抗生物質を使うことにより治療することができるようです。

シュウ酸カルシウム結石を溶かす薬はありませんが、ストラバイト・尿酸塩・シスチンといった結石の成分なら、薬を使用した治療法で溶解することが可能です。

ストラバイト結石の場合、尿酸化剤を投与してPH値をコントロールし、尿を酸性化すれば結石を溶かすことができるようです。

大きな結石は手術が必要

完全に消えるまで結石を溶かすことは難しいですが、溶解によりある程度小さくなれば自然に流れ出るでしょう。

水分を摂らせて尿量を増やし、結石を押し流して膀胱に早く到達させることもできます。

しかし、大きな結石になったり尿路閉塞を引き起こしたら、尿路にカテーテルを挿入するか、開腹して外科手術を施し除去するしかありません。

運動させて痛みを抑える

適度に運動させて、結石を動かすことも効果的です。

結石の痛みが出ている時に運動させるのは酷ですが、結石が尿路に留まっている状態でも結石の位置によっては痛みが止まる時があります。

愛犬の様子を見てタイミングをはかり、散歩などの運動をさせると良いでしょう。

食事を改善する

食事を改善して、カルシウムなどのミネラル類やシュウ酸を摂りすぎないようにするなど再発防止の方法もあります。

尿路結石を対策できるおやつ

尿路結石を対策できるおやつ

尿路結石を予防するには、おやつの摂り方も工夫しなければなりません。

太り気味で運動不足の犬には、あまり間食を与えないようにしましょう。

ビタミンCが多く含まれているもの

ビタミンCはシュウ酸とカルシウムが結合することを防ぐため、シュウ酸カルシウム結石の予防効果に期待ができると言われています。

ビタミンCを豊富に含む食べ物として、下記のようなものが挙げられます。

  • 赤ピーマン
  • ブロッコリー
  • 芽キャベツ
  • キウイ
  • いちご
  • オレンジ
  • さくらんぼ など

おやつとして与えたり、普段のご飯にトッピングしてあげると良いでしょう。

与えすぎると下痢になってしまうこともあるため注意してください。

ポカリスエットは酸性化の効果がある

アルカリ飲料と言われるポカリスエットですが、実はそのPHを測ると弱酸性であり、尿の酸性度を高めてストラバイト結石を予防する効果を期待できるでしょう。

水分補給の際に、ポカリスエットを混ぜて与えることも尿路結石の予防になるのです。

も犬と同様に尿路結石になるので、猫の食事にも同様の配慮が必要です。

さつまいもは危険?

犬は甘味が強く高カロリーのさつまいもが大好きです。

さつまいもには食物繊維が多く、腸の蠕動運動を活発にして便通を良くします。

また、さつまいもに含まれるクロロゲン酸とイソクロロゲン酸は、メラニンの生成を抑え皮膚の色素沈着予防にも効果があると言われています。

しかし、さつまいもにはシュウ酸カルシウム結石の原因となるシュウ酸が多く含まれているため食べ過ぎは危険です。

シュウ酸が加工しても減りにくい

シュウ酸が多い食べ物としてほうれん草が代表例として挙げられますが、ほうれん草は水にさらし加熱するとシュウ酸の量を減らせることがわかっています。

一方、さつまいもはこうした処理をしてもシュウ酸があまり減らないため、調理したからといってたくさん与えてはいけません。

特にさつまいもの皮にはシュウ酸が多いので、犬に与える際には皮を剥いてあげましょう。

さつまいもの他にチーズやレバーをおやつとして与える飼い主さんもいますが、これらにはリンが多く含まれていて、リン酸塩結石の原因となるため注意が必要です。

手作りご飯で結石対策

手作りご飯で尿路結石対策

市販のドッグフードばかりに頼らず、愛犬の好みを考えた手作りレシピに従って、尿路結石の予防になる手作り食を作ってあげることもおすすめです。

水分の多い食事を作ろう

シュウ酸やミネラル類など、尿路結石を作りやすい成分の食材を避け、愛犬が食べやすいフードを作ってあげましょう。

まず、水を飲む習慣が定着していない犬に対しては、水分の多い食事レシピを考えなければなりません。

ウェットフードを与えることも有効な手段です。

犬の体質に合わせたレシピを考えよう

最も重要なことは、愛犬の体質や遺伝を考え、できやすい結石の成分に応じて食事レシピを考案することです。

できやすい結石の成分 食事レシピ
シュウ酸カルシウム結石ができやすい犬 さつまいもやりんごなど、シュウ酸を多く含む食材を避ける
ストラバイト結石できやすい犬 尿を酸性化するため、ビタミンCや豆類のほか、穀類や動物性食品が望ましい
シスチン結石や尿酸結石ができやすい犬 アルカリ化を促す野菜類・果物類を与えることが必要

上記のように結石の種類によって、食べてはいけないものと食べるべきものが異なるので、獣医さんと相談して愛犬に最適な手作りごはんを作ってあげましょう。

★わんちゃんが食べられない食材は使用しておりません。
★食材から栄養・酵素・水分が摂取できます。
★温かくして、人も犬も一緒に食べられます。