犬の避妊手術はするべき?避妊によるメリット・デメリットを紹介!
避妊はしない方がいい?
飼い犬に避妊手術や去勢手術をするのには賛否両論があります。
ここでは避妊手術によるメリット・デメリットについて紹介していきます。
メリット1 病気のリスクの低減
オス犬は前立腺肥大、メス犬では子宮蓄膿症などの生殖器に関わる病気になることがなくなります。
このような生殖器の疾患は命にかかわるものもあるため、長生きするための手術として有効と言えるでしょう。
メリット2 問題行動の抑制
避妊手術をすると病気のリスクを低減させられることに加え、育てる上で悩みになるような様々な問題行動が抑制されるメリットがあります。
オス犬の攻撃的な態度やメス犬の発情期の行動なども抑えられるため、犬を育てる上で人に迷惑をかけるケースが少なくなります。
デメリット1 手術によるリスク
避妊や去勢をするとデメリットもあるので、手術をして後悔しているケースもあります。
反対派の意見として多いのは、手術そのものによる出血や麻酔によるリスクがあることです。
手術によるショックや麻酔による死亡例もあるので、病気の予防になるとしても手術をするかどうかで悩むケースが多々あります。
リスクは低い
手術前にしっかりと麻酔ができる状態であるかを検査していきます。
そのため、麻酔が原因で死亡してしまう可能性は高くないでしょう。
デメリット2 ホルモンバランスの乱れ
避妊や去勢をするとホルモンバランスの乱れが生じるのもデメリットです。
ホルモンの乱れによって、肥満になりやすくなったり病気にかかりやすくなることがあります。
また、発情によるエネルギーの消費がなくなることも太る原因となります。
デメリット3 手術費用がかかる
手術にはもちろん費用もかかります。
犬の大きさや病院によって手術にかかる費用に違いはありますが、避妊をせずに済ませられるのならしたくないという飼い主さんも少なくありません。
愛犬が傷を負うことにお金をかけるということから、避妊をするか悩むこともあるでしょう。
避妊手術の流れ
犬の避妊・去勢手術自体は日帰りでできるのが主流になっていますが、飼い主さんは手術前日から対応が必要になります。
手術前の検査
避妊や去勢をする場合には、手術可能な健康状態かどうかを確認するために、まず動物病院やクリニックで術前の検査を実施します。
検査の代表的なものは下記のようになっています。
- 身体検査
- 血液検査
- レントゲン検査 など
検査した結果、手術できる状態であればその後に予約を取ります。
当日は絶食させる
手術は全身麻酔をして行うのが基本になるため、手術前には絶食と絶水をするのが一般的です。
麻酔の仕方によっては絶水が不要の場合もありますが、12時間以上の絶食、朝からの絶水を飼い主がきちんと管理して行わなければならない場合がほとんどです。
病院によっては指定された消化の良いご飯を食べさせるという場合もあります。
水を飲んだという場合にも手術には対応してくれることが多いですが、手術のリスクが高まるので延期することもあります。
手術当日の流れ
手術の当日は朝に病院に連れて行って術前検査により健康状態を確認します。
そして、手術同意書にサインをして犬を預け、昼から午後にかけて手術を行ってもらいます。
避妊手術後は、夕方以降に退院になるのが一般的ですが、健康状態が思わしくない場合には一日程度の入院をすることもあります。
退院後、一週間ほどで抜糸をするために経過観察を兼ねて診察を受ければ手術は完了です。
犬の手術費用
犬の避妊手術にかかる費用はクリニックや犬の大きさによって非常に大きな差があります。
去勢・避妊手術費用の相場
犬の大きさによる違いもありますが、一般的な相場としては下記のようになっています。
去勢手術 | 2万円~4万円程度 |
避妊手術 | 3万円~6万円程度 |
小型犬の方が費用が安くなっていて、小型犬・中型犬・大型犬という三つに分類して料金設定をしているクリニックが多くなっています。
この手術費用には術前検査や手術、術後検査や抜糸などにかかる費用が含まれているため、一般的には追加費用がかかりません。
ただし、麻酔の方法を変更したり、入院が必要になったりした場合には、麻酔の費用や入院費が追加でかかることもあるので注意が必要です。
ペット保険は対象外
避妊や去勢の手術は、ケガや病気の手術ではなく自由診療なので、ペット保険に加入していても保険金が支払われることはありません。
高額な手術費用ですが、全額自己負担で実施することになることを覚えておきましょう。
助成金・補助金が出る場合もある
地域によっては、犬の避妊や去勢の手術に対して助成金や補助金の制度があります。
飼い主のいない猫しか対象にしていない地域も多いですが、住んでいる地域によっては一部の費用を負担してもらえます。
市区町村の保健センターや動物愛護センター、病院やクリニックなどに問い合わせて、助成金や補助金を受け取れるかどうかを確認してみましょう。
避妊手術で性格が変わる?
避妊手術や去勢手術をすると犬の性格変わったと言っている飼い主もいます。
犬の性格がどのように変わるのかを解説していきます。
性格が変わる理由
犬の性格が変わるのは気のせいではなく、避妊や去勢との因果関係があると医学的にも認められています。
生殖器がなくなることで性ホルモンのバランスが変わるのが最も大きな影響です。
マーキングや発情による行動が減ることで、性格が変わったと感じるのです。
おとなしくなる傾向がある
一般的には性格がおとなしくなる傾向があります。
いつも吠えるのが問題で近所に迷惑をかけていた犬が静かになったり、攻撃的だった犬が甘えん坊になったりすることがあります。
マーキングや縄張り争いなどもしなくなり、活動量も低下して扱いやすくなるなど、全体として育てやすい犬になるのが通例です。
必ずおとなしくなるわけではない
性格的な変化はケースバイケースで、必ずしもどの犬もおとなしくなるわけではありません。
穏やかな性格だった犬が凶暴になってしまったり、訓練をしてもなかなか学ばなくなったりする事例もあります。
求愛行動が減る点は多くの場合に共通していますが、おとなしさについては一概には言えないので注意しましょう。
徐々に変化していく
犬によっては性格の変化は微々たるもので、飼い主すら気付かないこともあります。
また、性格が大きく変わることもないわけではありませんが、一般的には急に性格が変わって戸惑うようなことはなく、徐々に変化を起こします。
避妊手術後に気をつけること
避妊や去勢の手術を受けた後には、飼い主さんがきちんと様子を見て適切な対応を取ることが大切です。
手術は多かれ少なかれ愛犬の心身にダメージを与えています。
愛犬の様子を観察して元気を回復させてあげるように取り計らいましょう。
手術後は休ませてあげる
手術の直後は散歩はせずに、様子を見る程度であまり積極的に構わないのが大切です。
さみしがることもよくあるので、留守番をさせずにできるだけ近くにいてあげるようにしましょう。
手術によって体力が低下していたり、痛みを感じていたりして元気ないこともあります。
それでも無理に構わずにゆっくりと休ませてあげるのが体調の回復につながります。
異常を感じたら病院へ
休ませている間に、食事を全くしないような状態では衰弱してしまうかもしれません。
何か異常を感じたときには医師に相談して指示を仰ぐことが大切です。
ある程度回復してきたら
ある程度の回復が見られてからは今までと同じ過ごし方をして大丈夫です。
ただし、食事の内容については見直しをしましょう。
低カロリーのドッグフードを与える
性ホルモンのバランスの変化や活動度の低下の影響を受けて、エネルギーの消費量が少なくなってしまっています。
今までと同じようにドッグフードを与えていると肥満になりがちです。
食事量を減らすか、低カロリーのドッグフードを与えるようにしましょう。
元気が回復してきたら散歩の習慣を作り、愛犬の活動を促すのも大切です。