
犬が舌を出す理由とは?しまい忘れや舌なめずりをする原因を紹介!
舌を出してハーハーする
犬がハーハーと舌を出して呼吸することは自然なことで、元気な時でもハーハーしているものです。
ただし、気を付けたいケースもあるので紹介していきます。
犬がパンティングする理由とは?
犬が舌を出してハァハァと呼吸することを『パンティング』と呼びます。
これは体温調整をするための行為で、舌を経由して熱を吐き出しているのです。
そのため、散歩などで体を動かしているときや、興奮した後は、特にパンティングが多くなります。
ハーハーしているのは病気のサイン?
「安静にしているのにずっとハーハーしている」というときは、どのようなトラブルが想定できるでしょうか。
熱中症にかかってしまった
犬は暑さに弱いので熱中症に気を付けなければいけません。
特に身長が低い犬は、散歩中にアスファルトからの照り返しを受けやすいため注意が必要です。
パンティングが普段より早かったり、元気がなかったりなど、愛犬の様子がおかしいと感じたら熱中症かもしれません。
水をよく飲むように促し、首元や足の付け根冷やしながら、近くの動物病院を受診しましょう。
心臓病などで呼吸器に問題がある
暑さが問題ではないのに呼吸が荒いときは、呼吸器や循環器のトラブルの恐れがあります。
肺炎や気管支炎などの呼吸器系のトラブルで息苦しいのかもしれませんし、心臓病の可能性もあります。
落ち着きがない様子でハァハァとしている時は、早めに医師の判断を仰ぐ必要があります。
犬のパンティングを見かけたら
ハァハァと体温調整をすることは自然なことですが、下記のような症状が見られてときは注意が必要です。
- 荒い呼吸で苦しそう
- いつまでも治まらない
- 息に雑音が混ざっている
- 落ち着きがない
- ぐったりとして元気がない
- 震えがみられる
- 舌の色が普段と違う
- よだれが多く垂れている
このような症状が見られたときは、動物病院へ連れていくことをおすすめします。
舌なめずりをする理由
犬がずっと舌をペロペロしているときは、どのような理由があるのでしょうか。
気にしなくていいのか、病気などのサインなのか確認していきましょう。
ストレスを感じている
犬が口をペロペロしている理由は、ストレスに起因していることが多いです。
下記のような仕草は、ストレスを感じた時のクセのようなものと言えます。
- 舌なめずりをする
- 鼻をなめる
- 舌を出したり引っ込めたりする
このような仕草は、人でいうところのモジモジしたり、爪を噛むことと似ていますね。
環境など、いつもと違うことはないかチェックして、愛犬を落ち着かせてあげましょう。
自分や相手をなだめようとしている
悪さをした子犬を怒ったら「ペロペロされた」「あくびをされた」などの話はよく聞きますよね。
これは人を馬鹿にしているわけではなく、相手に対して敵意がないことを伝える手段です。
また、自分自身を落ち着かせる時にも、鼻をなめたり、舌を出したり引っ込めたりすることがあります。
愛犬がペロペロしているときには、何かを伝えようとしていたり、落ち着こうとしているサインなので、理由を考えてみましょう。
口の中にトラブルが発生している
精神的な理由であることが多い舌なめずりですが、ペロペロが止まらないときには、口周りに不快感があるのかもしれません。
犬の口腔トラブルとして、下記のようなことが挙げられます。
- 虫歯
- 歯周病
- 歯肉炎 等
このようなトラブルによって、痛みが気になっているのかもしれません。
愛犬の口元をチェックして、必要に応じてかかりつけ医に相談しましょう。
舌のしまい忘れ
愛犬が舌をしまい忘れている姿はかわいいものですが、しまい忘れにはどのような理由があるのでしょうか。
ここでは、舌のしまい忘れについて紹介します。
ゆったりとした気分の時
口周りの筋肉が緩んでいるときに、ぺろっと舌が出たままになることはよくあります。
これは、ぼーっとリラックスしている時や、寝起きに多く見られます。
また、安心しきって寝ている時にも、舌が出っぱなしということもあります。
短頭種の犬
下記のような短頭犬は、鼻から口までの距離が短くなっています。
そのため、舌をしまうスペースが狭く、舌が出てしまうことが多いのではないかと言われています。
- パグ
- ブルドッグ
- シーズー など
パンティング呼吸
リラックスしている時に舌が出ることは想像しやすいですが、パンティングした時にも舌をしまい忘れることがあります。
また、犬は暑さを感じるとパンティングをしますが、この時に体温調節が追い付かないと、いつまでも口から舌が出たままになってしまうのです。
口周りのトラブルが発生している
精神状態に関係なく、常に舌が出ている場合には、歯並びが原因となっているかもしれません。
歯並びや噛み合わせが悪いと、舌がうまくしまい込めず、出たままになってしまうことがあります。
また、高齢になると歯が抜けてきたり、口の周りの筋肉が衰えるので、舌のしまい忘れが増えてきます。
舌の色
犬の舌の色はピンク色のイメージがありますが、体調不良や病気などで舌の色が変わってしまうことがあります。
舌の色は健康状態と密接に繋がっているので、どのような場合は注意が必要なのか、一つずつ確認していきましょう。
舌がピンク色や赤色になっている
健康な犬の舌は濃いピンクや赤色で、明るくきれいな色をしています。
茶色や黒い斑点模様が表面についているケースもありますが、『舌班(ぜっぱん)』という色素沈着なので気にする必要はありません。
舌班は人でいうシミやホクロのようなものです。
舌が白っぽい
犬の舌が白くなっているときは、重度の貧血である可能性が高いです。
軽度の場合は舌の色は変わらないので、かなり深刻な状態と言えるでしょう。
白血病や骨髄異常も考えられるので、急いで病院へ行きましょう。
舌が黄色い
犬の舌が黄色くなるのは、『黄疸(おうだん)』の恐れがあります。
血液中の胆汁色素が増えることで、舌の色が黄色くなるようです。
肝炎や胆嚢(たんのう)などの肝臓機能にトラブルが発生していると考えられるので、獣医さんに急いで相談した方が良いでしょう。
舌が紫色になっている
犬の舌が紫色になるのは、『チアノーゼ』を起こしていると考えられます。
『チアノーゼ』とは、血液中の酸素が不足して、皮膚が青っぽく変色してしまう状態です。
心臓病などで血液循環が滞っていたり、呼吸器の病気によって酸素がうまく取り込めていない時に発生することがあります。
舌が紫色になっていたら、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
犬は熱いものが食べられない?
今までは犬が舌を出す理由や、色による健康状態について紹介してきましたが、ここからは犬の舌に適した食べ物の温度について見ていきましょう。
実は犬も「猫舌」で熱いものは苦手
『猫舌』というからこそ、猫は熱いものが食べられないというのは、なんとなく知っていますよね。
しかし、犬も猫舌ということをご存知でしょうか。
実は犬だけでなく、自然界の生き物は熱いものを食べることがないので、人間以外はみんな「猫舌」と言えるのです。
食事の温度はどれくらいが適切?
実は猫舌である犬ですが、冷えた食べ物よりは温かい食べ物の方を好みます。
これは、自然界で生きていた頃、犬は獲物を捕って食べていたので、動物の体温に慣れているからです。
そのため、理想的な食べ物の温度は38~40度くらいと言えるでしょう。
舌炎に注意
犬は熱いものを食べてしまったとき、口に入れたものを吐くことで、本能的に火傷を防ごうとします。
ただし、気を付けたいのは「電気コードを噛んで感電する」「化学薬品を舐める」などのケースです。
犬は感電や火傷によって『舌炎』を起こす可能性があります。
『舌炎』とは、舌の炎症の総称で、火傷や薬液、ウイルス感染などが原因で起こる病気です。
舌炎の症状
下記のような症状が見られたら、『舌炎』を起こしている可能性があります。
- 舌が赤く腫れている
- 舌に白い出来物がある
- ヨダレが増えた
- 口周りをひっかいている 等
舌炎の治療には、消毒や消炎剤での対応が必要となるので、動物病院を受診するようにしましょう。