
プラッキングとは?必要な犬種や手順、トリミングサロンの料金を紹介
プラッキングとは?
犬の被毛のお手入れには、『プラッキング』という方法があります。
その方法について、詳しく解説していきます。
プラッキングとは?
プラッキングとは、『定期的に被毛全体のおよそ30%を抜いて、新しい被毛を育てる方法』のことを言います。
プラッキング用の『トリミングナイフ』を使用し、少しずつ抜いて仕上げます。
痛みについて
被毛を抜くと聞くと、「痛みを伴うのではないか」と想像してしまいますが、そんなことはありません。
その理由は、『生えたばかりの被毛ではなく、古くなり抜けかけているもの』を抜くからです。
自宅で行うことが不安な方は、トリミングサロンなどに相談しましょう。
効果
下記は、プラッキングによる効果になります。
- 健康で強い被毛になる
- 退色を防ぐことができる
- 毛艶が良くなる
- 汚れを防ぎ、皮膚を清潔に保てる など
プラッキングをすることにより、古い被毛が抜き取られ、本来の硬く美しい被毛の育成を促進します。
ドッグショーなどに参加する際には、美しく仕上がるのでおすすめです。
ストリッピングとプラッキングの違い
プラッキングが30%の被毛を取り除くのに対し、ストリッピングは『ほぼ全ての被毛を抜き、新しい被毛に生え変わらせる方法』のことを言います。
それによって、毛質改善をさせ、一番美しい状態を保つことができます。
ストリッピングは必要?
ストリッピングは、皮膚が丸見えの状態になるため、生えそろえるまでに時間がかかります。
そのため、ドックショーなどの目的で行うことが多いようです。
ストリッピングがメニューにあるトリミングサロンは多くないため、一般的にはプラッキングだけでも十分でしょう。
プラッキングが必要な犬種
ここでは、プラッキングが必要な犬種や、その理由について詳しく紹介します。
プラッキングが必要な犬種
プラッキングが必要な犬種として、テリア種が挙げられます。
- ウェルシュテリア
- ワイヤーフォックステリア
- ノーフォークテリア
- ノーリッチテリア
- ジャックラッセルテリア
- スコティッシュテリア
- ウエストハイランドホワイトテリア
- シュナウザー など
ワイヤーダックスフンドは、テリア種ではありませんが、『ワイヤーへアード』と呼ばれるほど硬い毛の犬種ですので、プラッキングが必要となります。
プラッキングが必要な理由
テリア種は、狩りをするために生み出された犬種です。
狩りに出る際に、怪我から肌を守り、雨水を弾くように『硬く強い被毛』が必要となりました。
トリミングでカットしてしまうと、毛が柔らかくなってしまうため、狩りに出るには不向きです。
そのため、『硬く強い被毛』を保つために、プラッキングが行われるようになりました。
今は飼い主のお好みで
本来狩りで野山を駆け回っていると、枝や雑草にこすられることで、抜けかけの被毛はどんどん抜け落ちていきます。
しかし、今は猟犬として飼われるだけではないので、プラッキングは飼い主の好みになります。
よりテリアらしい外見を求めるのであれば、プラッキングを検討しても良いでしょう。
プラッキングナイフの選び方
プラッキングに使用するトリミングナイフには、いくつか種類があります。
ここでは、選び方のポイントを紹介します。
トリミングナイフの種類
トリミングナイフは、主に粗目と細目に分かれます。
使用する箇所が違うため、両方揃えておくようにしましょう。
粗目のトリミングナイフ
溝が大きく深くなっており、アンダーコートや無駄毛(抜けかけている古い毛)を取り除くときに使われます。
アンダーコート:ふわふわした柔らかく短い下毛。体温を保ちます。
粗目は、体の広い範囲で使用することができます。
持ち手が木製のものは、静電気が起きにくいためおすすめです。
細目のトリミングナイフ
粗目の逆で、細目は溝が細く浅く作られており、オーバーコートや肛門回り、顔回りなどに使われます。
オーバーコート:しっかりした太さの長い上毛。雨水、紫外線、障害物などから守ります。
耳、足先、顔まわり、喉など、デリケートで細かい部分に使いやすくなっています。
溝が非常に細かい刃もあれば、刃が丸く仕上がっているものもあります。
順番としては、最初に粗目で全体を整えてから、細目で細かい部分を調整します。
使いやすいものを選ぶ
まず右利き用、左利き用がありますので、自分に合ったものを選びましょう。
ナイフの刃の先端が丸くなっているものが、初心者や、握力が弱い方に使いやすくなっています。
おすすめの頻度・手順
プラッキングを行う上での手順や、注意点などを解説します。
プラッキングの頻度
あまり間隔を空けないことで、綺麗な状態をキープすることができます。
そのため、ご自宅で飼い主が行うのであれば、毎週、もしくは隔週に1回程度をおすすめします。
トリミングサロンにお願いするときは、費用もかかるので、月に1回程度でも良いでしょう。
プラッキングにチャレンジ
前述したように、プラッキング用の『トリミングナイフ』を使用します。
初めににブラッシングをして、余計な被毛や埃を取り除いてください。
愛犬の体調がすぐれないときは無理をせず、体調の良い日を選びましょう。
トリミングナイフの使い方&手順
- 犬をテーブルや作業台の上に乗せて、動き回らないうようにする
- トリミングナイフを、利き手(親指以外の4本指)で握る
- ナイフを持っている方の親指の腹で、毛を逆立てる
- 刃と親指の間に被毛を挟み、毛の生えている流れに沿ってゆっくりと引く
- 位置を変えながら、全体の被毛を抜いていく
慣れないうちは、抜きやすい背中で練習しましょう。
刃の向きに注意
刃が上を向いていたり、犬の肌へ向いていると、親指や犬の肌を傷つけてしまいます。
必ず刃は、犬の体に対して、平行になる角度で使用して下さい。
仕上がるまでの時間
仕上がるまでは、3~5時間程度がかると言われています。
そのため、体力のない老犬などの場合は、負担となってしまいます。
プラッキングは、必ずしなくてはいけないものではないため、老犬にはバリカンやハサミなどでカットするだけでも良いでしょう。
トリミングサロンの料金
プラッキングを自宅でやるか、トリミングサロンにお願いするか、迷いますよね。
ここでは、トリミングサロンの料金の相場について紹介します。
プラッキングの料金設定
料金設定の相場は、10,000~30,000円程度となっています。
下記の内容によっても、料金に違いがあるようです。
- 毛量
- 大きさ
- 毛の長さ
- もつれ方
- 毛玉 など
プラッキングを行っているかも含めて、トリミングサロンに事前に問い合わせて確認しましょう。
トリミングサロンのメリット&デメリット
トリミングサロンと自宅のプラッキングについて、メリットとデメリットを解説します。
トリミングサロンのメリット
- 仕上がりが綺麗
- 飼い主の時間や、体力的な負担の軽減になる
トリミングサロンのデメリット
- 価格が高い
- プラッキングメニューのあるサロンを探す必要がある
自宅のメリット&デメリット
自宅でプラッキングを行うメリット・デメリットとして、下記のようなことが挙げられます。
自宅のメリット
- スキンシップを取ることで犬が喜ぶ
- 飼い主の達成感が得られる
- 好きなタイミングでできる
自宅のデメリット
- 飼い主の技術向上が必要
- 犬が慣れるまで、痛がることがある
- 時間や体力的な負担が大きい
費用を抑えたい方は、プラッキングの講習などを行っているトリミングサロンもあるので、技術を教えてもらうことをおすすめします。