猫に健康診断は必要なの?受けないリスクや検査内容について解説!
猫に健康診断は必要ない?
猫を飼い始めた際に、「健康診断を受けさせるべき?」と悩む飼い主さんも多いでしょう。
愛猫に健康で長生きしてもらうためにも、定期的に健康診断を受けさせることはとても大切です。
健康診断を受けさせるメリット
猫に健康診断を受けさせるメリットにはどんなことがあるのでしょうか。
病気の早期発見
猫は本能的に、病気や体の不調を周りに気付かれないようにする生き物です。
そのため、飼い主さんが気付いたときにはすでに「病気が進行してしまっていた…」なんてことにもなりかねません。
定期的に健康診断を受けることで、愛猫の不調を見逃したり「手遅れだった。。」という悲しい結果を防ぐことができるでしょう。
生活習慣の改善
多くの人が悩まされる生活習慣病ですが、猫にとっても大きな問題となっています。
猫の寿命は獣医療の技術進歩などによって延びていますが、肥満や歯周病は年々増加傾向にあります。
生活習慣を改善するためにも、定期的に愛猫の体の状態を確認することは大切です。
健康状態を把握するため
人間もそれぞれ体質が違うように、猫もそれぞれ臓器の大きさや強さなどに違いがあります。
健康状態の数値データを把握しておくことで、体調を崩したときに正常値と比較することができ、病気の早期発見にも繋がるでしょう。
愛猫に健康で長生きしてもらうためにも、病院で定期的に健康診断や感染症を防ぐワクチン接種を受けて、健康状態の把握と維持に努めましょう。
いつから受けさせたらいいの?
では実際に猫を健康診断に連れていくのは、何歳頃からが良いのでしょうか。
健康診断を受けさせる年齢
猫を迎え入れたとき(0歳~1歳ごろ)から健康診断を受けさせることをおすすめします。
「子猫だからまだ受けなくてもいいのでは?」と思いがちですが、迎え入れてからすぐに健康診断を受けることで先天的な病気を発見することができます。
子猫は免疫力や体力も低く病気にかかりやすいため、定期的に健康診断を受けさせると安心です。
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(写真のネコちゃん・・・ume_saku_bun050さんのうめちゃん)
健康診断を受けさせる頻度
猫は生後約1年半で人間でいう20歳を迎え、その後は1年ごとに4歳ずつ年をとっていくと言われています。
見た目に年齢が表れにくいですが、着実に年を重ねています。
人の場合、だいたい1年に1度健康診断を受けることが多いですが、猫も1歳~6歳頃までは年に1度は受けさせましょう。
7歳以上であれば、半年に1度受けるのが良いでしょう。
猫の7歳は人間に置き換えてみると40歳を超えている年齢であり、体に不調も出やすくなるため、頻度を上げて検診を受けておくと病気の早期発見につながります。
▼猫の年齢早見表
準備・持ち物は?
猫が健康診断を受けるときに必要な準備はあるのでしょうか。
健康診断の準備
健康診断の前に、準備しておくことがいくつかあります。
気になる症状をまとめておく
愛猫の行動や体の変化など、気になることがある場合は問診の際に伝えられるようにまとめておきましょう。
食事や排泄物の変化、体のしこり、過剰なグルーミングなど、検査をする上で重要な情報となります。
朝ごはんは抜いていく
健康診断を受ける前には、だいたい12時間以上の断食をする必要があります。
なぜなら、血液検査は食事からの経過時間によって結果が変わってしまうからです。
正確な検査結果を知るためにも、健康診断当日の朝食は抜いていきましょう。
また、水を飲むことは検査の約3時間前までなら良いと言われています。
病院や検査内容によっても変わってくるため、事前に病院に確認しておきましょう。
検査用の便や尿を採取する
便や尿の検査を受ける場合には、事前に採取をしておく必要があります。
便と尿はどちらも当日の朝に採るのが理想的ですが、難しいときはなるべく新鮮なものを採取しておきましょう。
健康診断の持ち物リスト
次に健康診断で必要な持ち物について紹介します。
キャリーケース
猫を病院まで運ぶために必須となるキャリーケース。
来院している他の猫たちとのトラブルを防ぐため、院内でもキャリーケースに入れるようにしましょう。
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(写真のネコちゃん・・・iroha_rinさんのいろはちゃん)
タオル
慣れない場所に行くことで、興奮したりおびえてしまう猫もいます。
そんなときにタオルがあれば、猫をくるんだり、キャリーケースにかけて目隠しすることができます。
タオルを数枚準備しておくと便利でしょう。
自宅のにおいがついたものだと、猫もより気持ちが落ち着きます。
検査用の便や尿
便や尿検査がある場合は、事前に採取したものを忘れず持っていきましょう。
ティッシュや拭きもの
病院に行くまでや、待ち時間などに粗相をしてしまったときなどにも役立ちます。
手帳やメモ
健康状態や次回の診療予約日について、メモできるものがあると便利でしょう。
ワクチン証明書
ワクチンを接種をするときに必要になります。
過去のワクチン証明書を準備しておきましょう。
上記は一般的な持ち物になりますが、動物病院や検査内容によっても違いがあるため、受診する病院に事前に確認しておきましょう。
健康診断の検査内容
猫の健康診断にはどのような検査があるのでしょうか。
各項目を見ていきましょう。
身体検査
視診、触診、聴診や体重・体温測定などの基本的な検査です。
次のような箇所の検査を実施します。
- 目
- 耳
- 口腔内
- 体の腫れやしこり
- 関節や骨
- 心臓や肺、腸などの臓器
- 適正体重や体温 など
聴診器で心臓、肺、腸などの音を確認したり、上記のような箇所に異常がないか調べることができます。
便検査
腸内細菌や寄生虫感染の有無、便に血が混ざっていないか、消化機能に異常がないかなどを調べることができます。
尿検査
腎臓病や尿石症、糖尿病などの疑いがないかを確認します。
尿検査では、身体検査や血液検査では見つけにくい腎臓や膀胱の異常を発見することができます。
血液検査
血液検査には主に血球検査と生化学検査があります。
血球検査では、赤血球、白血球、血小板などの数値を測定します。
生化学検査では、肝臓酵素、血糖値、コレステロール値などを調べ、身体検査だけでは見つけにくい内臓の異常を発見することができます。
レントゲン検査
レントゲン検査は、胸部や腹部の内臓の大きさや形、骨折など骨の異常を確認することができます。
また、猫が異物を飲み込んでしまった場合もレントゲン検査で確認することができます。
エコー検査
レントゲンでは確認が難しい心臓の内部や腹部、腫瘍などを確認することができます。
レントゲン検査で異常があった場合には、エコー検査で詳しく調べると良いでしょう。
健康診断の費用
猫の健康診断にかかる費用は、病院や診断内容によっても変わってきます。
検査料金の目安は以下の通りです。
検査項目 | 料金 |
身体検査 | 1,000~2,000円 |
便検査 | 500~1,000円 |
尿検査 | 1,000~2,000円 |
血液検査 | 1,500〜5,000円 |
レントゲン検査 | 3,000〜5,000円(撮影枚数によって追加料金が発生) |
エコー検査 | 2,000~5,000円 |
上記の検査でなにか異常が見つかったときには、さらに詳しく調べるためのCTやMRI検査が必要になるため、費用は余裕を持って準備しておきましょう。
健康診断はペット保険の補償対象外
「ペット保険に入っているから大丈夫」と思っている人も多いかもしれません。
しかしペット保険は、病気やけがで治療をした際に発生する医療費を補償するものなので、健康診断にかかる費用は補償対象外です。
健康診断の検査料金は決して安くはありませんが、健康診断を受けさせずに病気になってしまったらもっと高額な治療費を支払うことにもなります。
大切な愛猫に健やかに長生きしてもらうためにも、定期的に健康診断は受けるようにしましょう。