ペット保険は必要なの?加入のメリット&後悔しない保険選びとは
ペット保険とは
ケガや病気になったときの医療費について頭を悩ませる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
今回の記事では、万が一のときのためのペット保険について解説します。
ペット保険って?
ペット保険とは、飼っているペットが病気やケガをしたときに補償してもらえる損害保険です。
人の場合は、健康保険のような公的な制度に加入するため、病院での治療費を全額負担することはありません。
しかし、ペットが治療を受けた場合は飼い主さんが全額を負担することになります。
ペット保険に加入することで、その治療費の一部を保険金として受け取ることができるため、治療費の負担を軽減することができます。
補償の対象
ペット保険は、加入前に発症していた病気やケガについて補償するものではありません。
そのため、補償期間開始後に発症した病気やケガが補償の対象となります。
待機期間とは?
注意して頂きたいのが、『ペット保険に契約したからといって、すぐに補償期間が開始されるわけではない』ということです。
保険会社によっては、『待機期間(免責期間)』というものが設けられています。
飼い主さんも気が付いていない病気はないか、潜伏期間なども想定して確認する必要があるのです。
補償プランをしっかり確認
なお、補償開始後に発症した病気やケガであっても、保険会社によっては対象外のものあります。
飼っているペットが患いやすい病気があれば、それが補償されているプランかどうかを事前に確認することが大切です。
補償の種類
下記は主な補償になります。
- 通院
- 入院
- 手術 など
その他の補償としては、次のような内容があります。
- ペットセレモニー
- 車いす作成費用
- 賠償責任 など
これらの補償内容は保険会社によって違うため、契約前に相談してみると良いでしょう。
保険金の請求方法
- 治療費を病院の窓口で全額支払う→後日請求書類を郵送
- 治療費を病院の窓口で全額支払う→病院で診断書を作成→請求書類と一緒に郵送
- 保険会社が提携している病院の窓口で、補償分を差し引いた差額を支払う
2の場合、書類審査後に指定の口座へ保険金が振り込まれます。
3は、提携外の病院だと、請求書など必要書類を後日郵送する流れとなるようです。
ペット保険は必要ない?
ペット保険は必要ないという声もありますが、どんな懸念点があるのでしょうか。
保険料が掛け捨て?
基本的に保険料が掛け捨てなので、病気もケガもしなかった場合高額な保険料を使えずにもったいないという意見もあります。
保険料の値上がり
ペットが高齢になると、必然的に保険料は高くなります。
しかし、掛け捨てという点が、保険に加入するのをやめた理由のひとつになっているのかも知れません。
更新できない場合がある
過去に保険料の未払いがあったり、補償金額を満額使ってしまうと、契約を更新できないケースもあります。
保険会社によっても様々なので、更新についても事前に調べておきましょう。
補償対象が不十分
病気やケガの全てが補償の対象ではありません。
次のような項目は、保険適用外になります。
- 避妊、去勢手術
- 予防接種
- 健康診断 など
また、前述したように、保険加入前から患っている病気やケガの場合は補償対象外となります。
▼犬の健康診断についての記事はこちら
▼犬の避妊手術についての記事はこちら
▼猫の健康診断についての記事はこちら
▼猫の避妊手術についての記事はこちら
免責金額がある
免責金額とは、契約者が実際に支払う金額のことです。
例)治療費15,000円、補償割合70%、免責金額5,000円の場合
(15,000-5,000)×70%=7,000
そのため、保険金の額は7,000円となります。
この内容を知らないと、受け取る保険金額が少ないと感じるかも知れません。
バランスを考える
免責金額のある保険は、月々の保険料を抑えるメリットもありますが、保険金額が少なくなるというデメリットもあります。
ペットに必要な補償内容や保険料と保険金のバランスなどを考え、よく検討しましょう。
ペット保険に入らず後悔?
ペット保険に加入せず、ペットに万が一の事があった場合、加入しなかったことを後悔してしまうのでしょうか。
ペット保険の加入率
株式会社富士経済「2021年ペット関連市場マーケティング総覧」の調べでは、ペット保険の加入率は海外で30~40%程、責任意識の高いスウェーデンにおいては50%以上の飼い主さんが加入していると報告されています。
それに比べ、日本の加入率は低めで、10%程度だと言われています。
高齢ペットほど高額になる医療費
高齢になると保険の加入が難しくなります。
ですが、人間と同じで若い頃よりも病気にかかりやすく、手術が必要になるケースも多くなります。
がんや歯周病、椎間板ヘルニアなどの治療費は1回10万円を超えるとも言われています。
病気が長期化しても安心
病気を患ってからの期間が長ければ長いほど、治療費はかさみます。
貯蓄に余裕があり、治療費を問題なく払えるのであれば保険は不要かも知れません。
ですが、そうでなければ保険は心強い味方です。
保険解約直後に医療費が必要になる
ペット保険を解約したとたんに、高額な医療費がかかってしまっては最悪ですよね。
「ペットが足を骨折したけれど、高額な手術を諦めたため結局足を引きずって生活することになってしまった……。」
というケースもあるようです。
保険解約後だとなおさら悔やみきれません。
貯金も難しい
知恵袋には、「保険をやめる代わりに貯金をすれば良い」という意見もよく見かけます。
ですが、実際はなかなか難しいようです。
大切な家族であるペットの病気やケガに対して、金銭面で思うような治療を受けさせてあげられないのは飼い主さんとっても辛いことです。
そのため、加入目的を明確に、補償内容をしっかり検討したうえで、若い頃からお守り代わりに加入しておくと良いでしょう。
加入に必要なものは?
ペット保険契約の手続きに必要な書類をご紹介します。
加入方法
ペット保険の加入方法として、郵送かインターネットかの2パターンがあります。
保険会社にもよりますが、加入の際下記が必要となります。
郵送の場合
- 契約申込書
- 健康状態の告知書
- 健康診断書
- ペットの写真
- 血統書
- ワクチン摂取済証明書 など
インターネットの場合
郵送と同じ書類の他に、 支払い方法であるクレジットカード情報が必要となります。
保険料
保険料は2,000円前後のものが人気ですが、当然補償が厚くなると保険料も高額になります。
補償割合は50、70、80、100%と様々です。
補償項目
補償内容 | 支払限度額 |
通院(病気やケガにより通院の為の補償) | 日額上限:5,000円〜1.4万円程 年間限度日数:20日、22日、60日など |
入院(病気やケガにより、入院の為の補償) | 日額上限:1万円〜3万円程 年間限度日数:20日、22日、30日、60日など |
手術(病気やケガにより、入院の為の補償) | 1回あたりの上限額:10万円、15万円 年間限度回数:2回 年間限度額:50万円迄であれば回数制限なしなど |
賠償責任(ペットが人にケガをさせた、人の物を壊した等の補償) | 1事故につき:500万円迄、または1,000万円迄など ※ただし、1事故につき自己負担額3,000円など |
通院、入院、手術の補償もいろいろですので、飼い主さんの経済状況、ペットの年齢や健康状態によって検討しましょう。
入ってはいけないペット保険とは
「契約してからこんなはずではなかった…。」と後悔やトラブルを防ぐ為にもしっかり下調べをしましょう。
おすすめできないペット保険
これは避けるべき、というペット保険をご紹介します。
終身補償ではない
ペット保険は1年ごとの更新になってますので、必ず終身補償が可能というわけではありません。
ですが、だいたいの保険は更新が可能です。
ところが、突然特定の病気に関しての補償が外されてしまう場合もあり得ますので注意が必要です。
かかりすい病気が補償外
ダックスフンドやコーギーなどの胴長犬なら椎間板ヘルニア、トイプードルやチワワなどの小型犬はパテラを患いやすくなっています。
また、猫は腎尿路疾患や歯周病にかかりやすいと考えられています。
まず、飼っているペットが将来的にもどのような病気にかかりやすいかをしっかり理解することが重要です。
そして、その治療、通院がきちんとカバーされていない保険には入るべきではありません。
パテラとは・・・膝にあるお皿のような骨「膝蓋骨(しつがいこつ)」が内側や外側にズレてしまう病気。「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」とも言う。
高齢時の保険料が高額すぎる
ペットも高齢になれば病気にかかりやすくなるので、保険料は年齢と共に値上がりするのが一般的です。
ペットが長生きすると想定し、高齢になったときの金額も併せて比較検討しましょう。