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エリザベスカラーを猫につけるには?必要な場面、嫌がるときの対処法

エリザベスカラーを猫につけるには?必要な場面、嫌がるときの対処法

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去勢後などに必要

去勢後などに必要

エリザベスカラーってご存知ですか?ペットとの生活が始まると、意外と必要になることの多いアイテムです。

性格が穏やかな子でも、凶暴な子でも『手術後』というストレスフルな期間を乗り切るときに、必ず装着するエリザベスカラーについてご紹介します。

エリザベスカラーとは

動物病院から帰ってきた猫などのペットが、首のまわりに大きなドーナツ型のプラスチックを装着しているのを見たことがありませんか。

見ている分にはかわいらしい円盤型のカバーのことを、『エリザベスカラー』と呼びます。

16~17世紀のイギリスで、首まわりにレースやフリルをあしらったドレスが大流行しました。

見た目が似ているという点から、当時のイギリス女王であるエリザベス1世にちなんで、エリザベスカラーと呼ばれるようになりました。

どんなときに必要なの?

エリザベスカラーは、猫や犬などが手術を受けた後に、傷口を舐めないようにカバーする役割を担っています。

動物の習性として、ケガをした部分を自分で舐めて治そうとするのですが、それだと雑菌が入ってしまうリスクが高まります。

自分で舐めたり、噛んだりするのを避けるために、口元が患部に届かないようにカバーするのがエリザベスカラーです。

そのため、体の小さな猫でも、比較的大きな輪っかのエリザベスカラーを患部が落ち着くまでの数日〜数週間身につけることになります。

患部の悪化を防ぐ役割も

目や耳などを負傷した場合に、自分の手や足で引っかいたりするのを避けるという役割もあります。

かゆかったり、痛かったりして触ってしまうことで、患部が悪化するのを防ぐことができます。

いつまでつけてあげるべき?

いつまでつけてあげるべき?

手術後の患部を守るという意味でとても大切なエリザベスカラーですが、「実際に大きな輪っかを首のまわりにつけて歩く姿は、ちょっと不便そう…。」というのが正直なところです。

どれくらいの期間つけるもの?

猫が受けることの多い手術と言えば、去勢・避妊手術が挙げられます。

去勢・避妊手術を受けるときは、おなかにメスを入れる手術となるので、ほとんどの場合エリザベスカラーをつけて退院してきます。

おなかを切った跡は3~4日ほどで落ち着き、そのあと様子を見るという意味で術後5~7日ほど経ってからエリザベスカラーを外すのが適切です。

抜歯の必要がある場合は、そのときまでと獣医からアドバイスが受けることが多いようです。

▼猫に避妊をする理由についての記事はこちら

寝るときはどうしたらいいの?

大きなプラスチックが首のまわりについたまま寝るというのは、猫にとっては不快かもしれません。

ですが、が基本的には『寝るときもエリザベスカラーをつけたまま』が推奨されています。

寝ているときに傷口が痒くなって舐めてしまっては、傷口が空いたり雑菌が入ることに繋がります。

だからこそ、少しかわいそうに見えますが寝るときも外さないように注意ください。

留守番中はどうしたらいいの?

人の目が届かなくなる留守番中、エリザベスカラーがついたままだと、行動が制限されてしまいかわいそうかなと感じるかもしれません。

ただし、人の目がつかない時間帯こそ、「いつの間にか傷口を舐めて化膿していた!」などのトラブルを避けるためにも、しっかりとカラーをつけておかないといけません。

足元が見づらいこともあるので、できるだけ片付けをしたすっきりとした部屋でお留守番をさせてあげましょう。

エリザベスカラーのつけ方

エリザベスカラーのつけ方

エリザベスカラーは基本的につけたままにするものですが、何かの拍子に取れてしまうこともあります。

そんなときにつけられない…となると大変なので、装着方法をご紹介します。

エリザベスカラーの巻き方

正直なところ、エリザベスカラーをつけるのが大好きという猫は稀です。

猫の首にそってエリザベスカラーを回して、向きを調整しながらホックをとめるというのは、慣れるまでは少し大変ですが、できるだけ短時間でできるように意識してみてください。

  1. 猫をいつものように抱っこする
  2. 猫の後頭部からエリザベスカラーを回す
  3. ホックをとめる
  4. 指1本分のゆとりがあるかを確認する

エリザベスカラーに慣れていない猫は、正面から突然装着しようとすると嫌がる可能性が高いです。

抱っこをして、後ろからサッとつけてしまいましょう。

エリザベスカラーの外し方

エリザベスカラーの外し方はいたって簡単です。

輪っかをとめているホックを外すだけなので、つけるのと比べるとよっぽどスムーズな作業です。

基本的には装着したまま過ごすのが患部を早く治すコツですが、フードを食べていてエリザベスカラーが汚れてしまった場合などは、清潔感を保つために一度外して洗ってあげるようにしましょう。

エリザベスカラーを嫌がるときは?

エリザベスカラーを嫌がるときは?

猫がどうしてもエリザベスカラーを嫌がって、イライラして暴れるなどのトラブルに繋がっていたり、見ていてかわいそうなのときはどうしたら良いのでしょうか。

自宅でできるストレス解消方法をご紹介していきます。

キツくないかを確認する

首まわりに何かついている違和感は不快感に繋がります。

完全に解消できるワケではありませんが、キツすぎないかを確認しましょう。

ゆるすぎると顔が抜けてしまうのでNGですが、指1本ほど入るサイズにホックを調整してください。

目が行き届く時間は外す

エリザベスカラーの目的は、患部を舐めたり引っかいたりしないことです。

よって、飼い主さんが相手ができる時間帯であれば、外してあげても大丈夫です。

もしも患部の様子を探っていたり噛んだりしそうなときは、すぐに止めに入ったり、必要であればエリザベスカラーを再装着させるようにしてください。

フードや水飲み場を高くする

エリザベスカラーをしていると、低い位置にあるものを取ろうとするとき、プラスチックのカラーが床にぶつかってしまい不快感に繋がります。

いつもは床に置いているフードやドリンクボールは、ちょっとした高さのあるテーブルの上に置くなど位置を変えてあげましょう。

足元はスッキリとさせる

同じ理由から、床にたくさんのおもちゃが落ちていると、遊びたいのに遊べないというストレスフルな状況に繋がります。

また、猫の年齢が上がってきている場合には、転倒のリスクも高まります。

エリザベスカラーをつけている期間は、できるだけ片付けを徹底し、すっきりとした部屋で過ごせるように調整してあげましょう。

おすすめの素材・代用品

おすすめの素材・代用品

ただでさえ手術という大きなイベントを乗り越えたばかりなので、できるだけストレスフリーに過ごさせてあげたいですよね。

獣医さんからもらってきたプラスチックのエリザベスカラーをどうしても嫌がるときには、違うタイプに切り替えることも検討しましょう。

素材を変える

獣医さんでつけてもらうのは、ベル型の透明プラスチックのものであることが多いです。

でも、調べてみると実は他の素材のタイプが色々と販売されています。

ベル型・柔らかい素材

見た目は定番のものに似ていますが、メッシュなどのやわらか素材で作られたエリザベスカラーもあります。

優しい素材でできているので、家具や床にぶつかったときのショックが少しだけ和らげられ、不快な音も減るのでストレスを軽減できます。

デメリットは、メッシュ素材故に、フードや水などで汚れたときのケアがプラスチックよりも手間という点です。

 

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(写真のネコちゃん・・・takezou.yukoさんのタケちゃん)

ドーナツ型・柔らかい素材

人の飛行機用枕に似たドーナツ型のエリザベスカラーもあります。

柔らかい円形のクッションを首まわりにつけている姿はとてもかわいく、比較的小ぶりなので猫の視野も広くストレス減に繋がります。

これもまた洗う手間は否めませんが、一つの選択肢として覚えておきましょう。

 

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(写真のネコちゃん・・・xxxtokoさんのロイちゃん)

術後服を着せる

手術をした猫のための『術後服』というものもあります。

服を着せることで患部をカバーしてしまい、舐めたり噛んだりしないように防ぐというものです。

服を着るのを嫌がらない猫であれば、エリザベスカラーをやめて術後服に切り替えることも検討できます。

獣医さんに患部の様子を診てもらいながら、相談してみましょう。

 

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(写真のネコちゃん・・・sipochangmeiさんのランちゃん)