猫の胃腸炎の原因はストレス?胃腸炎の原因・治らないときの注意点
猫がよく吐くのは胃腸炎?
猫は毛づくろいなどをして毛を飲み込むことも多いため、毛を吐き出すために嘔吐をするのは珍しいことではありません。
しかし、頻繁に吐くときは胃腸炎の疑いがあります。
胃腸炎の症状
胃腸炎の一般的な症状として、嘔吐したときに黄色い胆汁や白い泡の混じった胃液を吐くことがあります。
軽度の場合は目に見える変化も少なく、元気に動き回ったり普通にご飯を食べたりします。
長期的に胃腸炎が続くと食欲減退が見られ、体重も徐々に減り元気がなくなっていきます。
飼い主さんが気付ける変化
飼い主さんが気付ける猫の体の変化としては、1日に数回嘔吐したり、下痢をすることがあげられます。
1日に5回以上嘔吐したり、泥状便や水様便などの下痢が見られたときは胃腸炎の可能性が高いでしょう。
悪化させないためにできること
猫が胃腸炎になったときの対処法として、下記のようなことがあります。
水分の多いキャットフードを与える
胃腸炎は胃の中が荒れている状態であるため、毎日食欲ない様子が見られたら、ウェットフードやペースト状のキャットフードを与えるのが良いでしょう。
下痢をすると体内の水分もなくなり脱水症状を起こしやすくなるため、水分の多いのキャットフードは胃腸炎の時に適しています。
絶食させる
胃腸炎になると、食べものの刺激によって嘔吐してしまうことがあります。
このような胃への負担を減らすための対処法として絶食させる方法があります。
6~12時間程度を目安に絶食・絶食をさせて、その後は水から始め、消化しやすい食事を少しずつ与えていきます。
長期間の絶水は、脱水症状になってしまうことがあるので注意が必要です。
動物病院へ連れていく
胃腸炎は激しい腹痛も伴うため、猫が動かずにじっとしているときも胃腸炎を発症している可能性が高まります。
それ以上症状を悪化させないためにも、少しでも愛猫の様子がおかしいと感じたら、動物病院で診断してもらうのが賢明です。
猫の胃腸炎の原因はストレス?
猫が胃腸炎になる原因は様々ありますが、最も多いのが誤飲や誤食です。
誤飲・誤食
猫が食べてはいけない食物や毒物などを誤って食べてしまい、急性胃腸炎になるケースがあります。
猫を外に出す場合は注意
特に室内と屋外を自由に行き来している猫は、知らない間に何を食べているのかわかりません。
外で見つけた腐った食べ物を口にしていることもあります。
誤飲・誤食しそうなものは片付ける
猫は紐で遊ぶのが好きなため、紐や毛糸などを誤って飲み込んでしまうことがあります。
また、愛猫が普段からゴミ箱などのビニール袋を舐めているときは注意が必要です。
飼い主さんが見ていない間に、ビニール袋を噛みちぎって飲み込んでしまうことがあります。
食事の管理をしっかり行うとともに、猫が誤飲・誤食しそうなものは片付けておきましょう。
▼猫の誤飲についての記事はこちら!
ストレス
ストレスも急性胃腸炎の大きな原因の1つです。
猫のメンタルはデリケートです。
猫はペットホテルに預けたり大勢の来客があるなど、いつもと環境が変わるとストレスを感じてしまいます。
できるだけ猫がストレスを感じない環境を整えてあげましょう。
猫は胃腸炎を自然治癒できる?
猫の胃腸炎は軽度の症状なら、嘔吐や下痢の症状は徐々に軽くなり、2日~3日で自然治癒します。
ただし、2日~3日で治らないときは、さらに症状が悪化することがあるため動物病院で適切な処置を受けるのが良いでしょう。
胃腸炎が重症化すると
吐く回数が増えたり、下痢がひどくなったりしたときは、重症化している恐れがあります。
頻繫な嘔吐・下痢の危険性
頻繁な嘔吐や下痢は、脱水症状を起こしやすいうえに、重度の胃腸炎は血便を引き起こすことがあるため非常に危険です。
1日に5回以上嘔吐するなら、重症化している可能性が高いため、動物病院につれていきましょう。
絶食・絶水の危険性
胃腸炎が悪化すると食欲不振どころか絶食してしまい、水さえ飲まなくなってしまいます。
食欲廃絶が長期化し絶食状態が3日以上続くと、『肝リピドーシス』のリスクが高まるので要注意です。
肝リピドーシスとは、肝臓に過剰な脂肪がたまり、肝機能障害を起こしてしまう疾患です。
そのほか、水を飲まない期間が長くなるとおしっこも出なくなりますが、36時間以上おしっこをしない状態は命の危険が伴います。
動物病院に連れていくこと
急性胃腸炎は自然治癒する一般的な病気ではありますが、重症化したり慢性化してしまうこともあります。
長引く嘔吐や下痢は猫にとって辛い症状であるため、きちんと完治し、慢性化させないためにも、動物病院に連れて行くのがベストな選択でしょう。
胃腸炎の薬
動物病院での胃腸炎の治療法は、原因によっても異なります。
病院での治療方法
病院では、胃腸炎の原因によって、下記のような治療を行います。
誤飲・誤食が原因の場合
誤飲・誤食の場合は、飲み込んでしまった異物や薬物を取り除き、胃洗浄を行います。
ウイルスが原因の場合
ウイルスが原因の場合は、ウイルス除去のための薬を投与します。
脱水症状を併発している場合
嘔吐がひどく脱水症状を併発している場合は、輸液を行い水分補給します。
病院で与えられる薬
病院で与えられる主な薬として、下記のようなものなどが挙げられます。
- 胃液の分泌を抑制する制酸剤
- 嘔吐を緩和する制吐剤
- 下痢を緩和する下痢抑制剤
- 消化を促す消化管運動促進剤
- 胃腸の調子を整えるプロバイオティクス など
また、嘔吐しているときは薬の服用が難しいため、点滴の投与が一般的です。
市販薬を与える場合
ご飯を食べない、水を飲まないなどの症状があったとき、病院に連れて行くまでの対処法として、猫に市販の胃腸薬を飲ませる人もいます。
人間用の薬は使用しない
猫用の胃腸薬なら基本的に問題ありませんが、人間用の胃腸薬を与えるのはやめた方が良いでしょう。
基本的に病院で猫に処方される薬は、人間用のものが多いと言われていますが、市販薬は猫の体に影響を与える成分が入っていることもあります。
知識がないままに与えると、重篤な副作用を引き起こしてしまうことがあります。
市販薬を与える場合には、猫用の市販胃腸薬を選ぶのが賢明でしょう。
▼猫の薬の飲ませ方についての記事はこちら!
消化器に負担の少ない餌
猫の胃腸炎を改善・予防するためには、消化器に負担の少ない食事を選んであげることが大切です。
消化器をサポートするキャットフード
キャットフードには、消化器をサポートする療法食も市販されています。
消化器サポートするキャットフードは、下記のようなものを選ぶと良いでしょう。
可溶性食物繊維が配合されているもの
腸内環境を整える作用のある『サイリウム』や『オリゴ糖』など、可溶性繊維が配合されているキャットフードがおすすめです。
負担をかける成分が配合されていない
良い成分が配合されているだけでなく、消化器に負担をかける成分が配合されていないことも大事です。
猫は穀物の消化が苦手なので、グレインフリーのものを選んであげると良いでしょう。
キャットフードの切り替え方
フード切り替えはいきなり全部替えるのではなく、元のフードに新しいフードを少しずつ混ぜ、徐々に慣らしていくのがベストです。
10日~1ヶ月ぐらいかけてゆっくり移行するのが理想です。
違いがわからないからといってすぐに他のものに替えるのではなく、3ヶ月程は様子を見ましょう。
移行中は便のチェックを行うこと
移行中は軟便や下痢をしてないか、便のチェックも忘れずに行うことも重要です。
軟便や下痢が続くときは、フードにアレルギー成分が配合されているかもしれないので気をつけましょう。
適度に柔らかさやツヤがあり、フードと似た色の便が理想です。
▼猫のうんちの状態についての記事はこちら