
猫の免疫力を高める方法とは?猫の感染症・免疫力を上げる方法を紹介
猫の免疫力は弱い?
動物には、体にウイルスや細菌が入った際に病気にならないよう、ウイルスや細菌を体から排除する仕組みを持っています。
これを「免疫」と呼びます。
私たち人間はもちろん、動物もこの免疫の仕組みを持っており、これにより体が健康を保てるようになっています。
免疫力とは?
免疫力とは、口や目鼻を通して体内に侵入してきたウイルスや細菌など、病気の原因となるものを自分で排除する、いわば「自浄の仕組み」です。
免疫力は高い方が良い
免疫力が高ければ「体がウイルスや細菌などと戦う力が強い」ということになり、免疫力が低ければ「体がウイルスや細菌などと戦う力が弱い」ということになります。
免疫力は体が病気に対抗する力なので、高ければ高いほど良いと言えるでしょう。
猫にも免疫がある?
全ての動物が自分の体を守るため、免疫の仕組みを持っています。
人間や犬にも免疫がありますし、猫にももちろん免疫があり、猫特有の感染症などから体を守っています。
年齢による免疫力
成猫は免疫力が強いため、ウイルスや細菌が侵入してきても自浄作用が働き、病気になりにくいです。
一方で、子猫は免疫力が低く、老猫も体の老いとともに免疫力も下がってきます。
そのため感染症予防のワクチンをきちんと注射して病気の予防をしたり、普段から免疫力を上げることを意識した生活をさせてあげることが大切です。
猫の免疫力が下がると?
猫が歳を取るなどして免疫力が下がると、ちょっとしたウイルスや細菌が入っただけでも免疫がそれらに対抗できず、簡単に病気になってしまったり、体調に不調をきたすなどの問題が起きます。
猫風邪とは?
冬になると、風邪を引いてしまって咳をしていたり、鼻水が出ていて調子が悪そうな人を見かけることがありますよね。
猫も同じように風邪をひくことがあります。
猫風邪の症状
猫風邪の主な症状として、下記のような症状が挙げられます。
- 鼻水
- くしゃみ
- 咳
- 目やに
症状は人間の風邪とよく似ており、ウイルスに感染することで発症します。
命の危険
子猫は体力が少ないため重症となってしまうことも多く、最悪の場合猫が死ぬということも考えられます。
風邪だからと油断せず、異変に気づいたらすぐに病院で治療してもらいましょう。
猫風邪の原因
猫風邪は人間の風邪と同様に、猫風邪に感染した猫のくしゃみや鼻水などに接触したり、吸い込んだりすることで感染が広がります。
免疫力が弱まっていると症状が出やすい
免疫力が高いときは、他の猫との接触などで猫風邪のウイルスに晒されても、疫力が細菌に勝てるので症状が出ないこともあります。
しかし免疫力が弱まっているときに猫風邪のウイルスが猫の体内に侵入すると、一気に症状が現れ、体調が悪くなる可能性があります。
猫風邪の対策
猫風邪にかからないようにするために大切なことは主に2つあります。
ワクチンの接種
一つ目の猫風邪対策としておすすめなのが、ワクチンの接種です。
人間のインフルエンザ予防などと同様に、子猫の頃からワクチンをきちんと摂取してあげることで、猫風邪にかかるリスクを減らすことができます。
混合ワクチンを接種していれば安心ですが、心配な場合はかかりつけの獣医師に相談されることをお勧めします。
免疫力を高める
ワクチン接種と並んでもう一つの猫風邪対策としておすすめなのが、免疫力を高めてウイルスに対抗できる強い体を作ることです。
免疫力を高める方法については後で紹介していきます。
餌で免疫力が下がる?
猫は年齢とともに免疫力低下の傾向があります。
また先天的に免疫力が低い猫もいます。
一方で、下記のような生活習慣が免疫力を下げる原因となっていることもあるので注意が必要です。
肥満が原因で免疫が下がる
食べ過ぎによる栄養過多で肥満状態に陥ると、細胞レベルで小さな炎症がたくさん起きます。
こうなると免疫はこの小さな炎症を抑えることにエネルギーを使ってしまい、免疫が通常対応するべきウイルスや細菌をやっつけることに手が回らなくなります。
結果的に免疫力が下がっている状態になってしまいます。
ストレスが原因で免疫が下がる
ストレスも、免疫力を低下させる大きな要因の一つです。
本来単独行動を好む傾向にある猫にとって、ペットとして飼育されることはストレスが溜まりやすい環境下に置かれているとも言えます。
特に狭いところでの飼育や、多頭飼育の場合は注意が必要です。
食事が原因で免疫が下がる
動物の免疫細胞は、その多くが腸に存在すると言われおり、食べ物も免疫力に影響を及ぼしていると考えられます。
毎日の食事に意識をむけ改善することで、免疫力を高めて病気になりにくい体を作ることにつながります。
人間も、風邪を引いた時こそ栄養をつけて、免疫力アップ!なんてよく言われますが、猫も同様ということです。
猫の免疫力を上げるには?
免疫力が下がる原因について紹介しましたが、免疫力をあげるにはどうしたらいいのでしょう。
適度な運動をさせる
まず肥満を防ぐ意味でも、ある程度の運動の機会を与えることが大切です。
もともと高いところに登ったりジャンプしたりと、日々の生活の中でも激しい運動をする猫にとって、運動の機会が少ないのは不自然です。
家の中での運動
狭い家の中でも運動ができるようにするために、キャットタワーなど猫用の運動器具を用意して十分遊ばせてあげましょう。
免疫力アップに効果的です。
また体をほぐしてあげると怪我もしにくくなるので、運動したあとはマッサージをしてあげるのもお勧めです。
この投稿をInstagramで見る
(写真のネコちゃん・・・rui1225_0411さんのルイちゃん)
ストレスを減らす生活を心がける
室内で飼育している場合は、猫にストレス解消ができる環境を用意してあげましょう。
もともと単独行動が好きな猫のために、一匹になれるスペースや時間を用意してあげるのが効果的です。
猫が気に入るための工夫
猫が気に入った箱などを一匹ごとに用意してあげたり、1時間だけでも他の猫や人間のいない部屋に置いてあげるなど、ちょっとした工夫でストレスが解消されるかもしれません。
色々トライして、猫が気に入るストレス解消法を一緒に探してあげましょう。
食事に気を配る
「免疫力アップに効く食事」は決まっていませんが、添加物の入っていないものや原材料にこだわった質のいいキャットフードを使ってあげることで体に悪いことはありません。
サプリメントで栄養補助
健康診断の際に医師から「特定の栄養が不足している」ことを指摘された場合には、普段の食事に加えてサプリメントなどで栄養を補充してあげることもおすすめです。
猫の免疫力を高める食材
偏った食事は、猫風邪や体調不良の原因になります。
栄養バランスの整った食事を心がけ、猫の免疫力を高めることで健康を保ってあげましょう。
猫の免疫力を高める成分とは
猫の免疫力を高めるのはことができる成分は次の2つです。
- 体を作る良質なタンパク質
- 腸内環境を整える乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌
動物性タンパク質
猫は肉食の動物のため、動物性タンパク質は猫にとって最も必要な成分となります。
体をつくるベースとなるため、十分な動物性タンパク質が含まれたキャットフードを与えましょう。
善玉菌
乳酸菌やビフィズス菌は、ヨーグルトなどの乳製品に豊富に含まれる善玉菌で、腸内環境を整える作用があります。
これらは腸内に多くいる免疫細胞を活性化させるため、免疫が上がることに期待できます。
バランスの良い総合栄養食
免疫力を高める餌を与えたいなら、タンパク質、善玉菌を含む多くの栄養素がバランスよく含まれた、「総合栄養食」を選ぶようにしましょう。
総合栄養食とは
総合栄養食とは、そのフードとお水だけを摂取している状態で健康が維持できると認められたフードのことです。
条件を満たしているフードにはパッケージに「総合栄養食」の記載がありますので、餌選びの参考にしてみてください。
様々なタイプがある
年齢を重ねた猫の場合、食の好みが偏ってきて、餌を選り好みするようになることがあります。
そのような場合でも、おやつだけを与え続けたりするのは猫の健康を考えると好ましくありません。
総合栄養食の中にも下記のように様々なタイプが出ていますので、猫が気に入ったものが見つかるまで色々と変えてトライしてみると良いでしょう。
- ドライタイプ
- ウエットフード
- 缶詰
食事を選ぶ際の注意点
餌を選ぶときの注意点として下記のようなことが挙げられます。
添加物を含まないフードを選ぶ
前途しましたが、「栄養バランスがよく、人口添加物が含まれていないフード」を選ぶと良いでしょう。
対象年齢を確認する
猫も年齢によって、必要な栄養やその量が変わってきます。
子猫の時は体を大きくする必要があるためカロリーを取る必要がありますし、老猫には関節をケアする成分や腎臓の働きを助ける成分などを補充してあげることが好ましいです。
総合栄養食の中でも対象年齢が合っているフードを与えることで、その年齢に必要な栄養素を十分取ることができます。
それでも栄養が十分に取れない場合や、猫の食が細くて十分食べられない場合などは、サプリで栄養を補充するのもおすすめです。