
犬の肉球ケアとは?肉球ケアをする理由・やり方について解説!
犬の肉球にケアは必要?
みなさんは犬の肉球には汗を流す腺(汗腺)や触覚器官が備わっていることをご存知ですか。
暑さや痛覚に敏感な犬の肉球は、ケアせずに放っておくと重大な健康トラブルに繋がる可能性があります。
犬の肉球にケアが必要な理由は主に以下の3点です。
- 角質が硬化して健康悪化に繋がる可能性
- 肉球から出血して病気になる可能性
- 肉球のケアを怠ると骨格形成に悪影響が出る可能性
角質が硬化する
肉球は犬が生活していく上で必要不可欠な身体の部位です。
ケアを怠ってしまうと、肉球が乾燥した状態になり、最終的には角質がガチガチに固まってしまう状態になってしまいます。
特に老犬の場合、ヘルニアや関節の軟骨をすり減らしてしまうなど、健康悪化に繋がってしまうこともあるのです。
肉球から出血する
老犬になると、長年蓄積された厚い角質の層から出血したり、ささくれなどの些細な怪我でも病気になったりします。
このような怪我や病気を避けるためにも、日々の肉球のケアは欠かせません。
骨格形成に悪影響が出る
最近の犬は庭ではなく、自宅のリビングなどで飼われている場合も多いです。
肉球ケアを怠ると、肉球に角質が溜まり、硬くなります。
この「肉球が硬くなる」というのは、乾燥した状態が長く続いた場合に起こる現象です。
滑りやすくなってしまう
この状態でフローリングなどを歩いていると、肉球が滑って怪我をしてしまう可能性があります。
滑りやすい状態でいると、成長期の犬の骨格形成に悪影響を与える場合もあるのです。
肉球ケアの頻度
そもそも犬の肉球にはどのような役割があり、どれくらいの頻度でケアしていけば良いのでしょうか。
こちらでは、犬の肉球の役割を知り、適切なケアの頻度について知っておきましょう。
犬の肉球の役割
肉球の役割には様々なものが挙げられますが、重要なものは主に以下の3点です。
- 体温を調節する
- 衝撃を吸収する
- 地面の熱さや冷たさから身を守る
体温を調節する
犬や猫には人間のような汗腺がほとんど備わっていません。
犬の場合は、基本的にパンティング呼吸(口を開けて大きく呼吸をする)で体温を調節します。
しかし、暑さの厳しい夏や寒さの厳しい冬には、パンティング呼吸でも体温調節が間に合わない場合もあります。
そんな時には、肉球や鼻先を濡らして体温を調節するのです。
衝撃を吸収する
肉球が持つぷにぷにとした柔らかい感触は、犬の身体にとって重要な役割を持っています。
肉球に充分な柔らかさと弾力性があることで、高い場所から飛び降りたり、走り回ったりする時にクッションとしての役割を果たすことができるのです。
地面の熱さや冷たさから身を守る
肉球の持つ厚い角質は、直射日光に長時間照らされたアスファルトや路面に張り付いた氷などから犬を守ってくれます。
肉球の持つ防衛機能を最大限に活かすためにも、肉球が毛羽立ってきたり、カサカサに乾燥してきたなと感じたら、肉球のケアをするようにしましょう。
適切な肉球のケアの頻度
犬の肉球は一日中刺激を受けています。
アスファルトや家のフローリングなど、挙げればキリがありません。
そんな日常的な刺激から犬の肉球を守るためには、最低でも1日に1回は肉球クリームでのケアが必要です。
日々の肉球のお手入れを欠かさずに、犬との幸せで健康な生活を満喫しましょう。
肉球のケア方法
代表的な肉球ケア方法は以下の3つです。
- 蒸しタオルで拭く
- クリームをつけてマッサージする
- 靴下を履かせて保護する
蒸しタオルで拭く
1つ目は蒸しタオルで肉球を拭く方法を紹介します。
やり方
蒸して水分を含んだ温かいタオルで肉球を優しく拭きます。
蒸しタオルの作り方は以下の通りです。
- タオルを水で濡らし、軽く絞ります。
- 電子レンジで500Wで30秒~1分程度温めます。
- やけどに注意しながら取り出します。
- ぬるい場合には追加で温めますが、熱すぎる場合は冷ましてから使います。
効果
汚れをとり、血行を促進する効果が期待できます。
何よりも、肉球は感覚器官なので、ケアすることで犬を気持ち良くリラックスさせることができるでしょう。
クリームでマッサージする
次にマッサージクリームを使ったマッサージ方法を紹介します。
やり方
マッサージクリームを肉球に優しく揉み込んでいきます。
犬の肉球用クリームも販売されているので、そちらを使うと良いでしょう。
効果
角質が古く、硬くなっている部分を入念にマッサージすることで、血行が良くなります。
中でもホホバオイルは保湿力が高く、アトピーに悩む人も愛用しているオイルです。
人間にも使えて、保湿力の高いホホバオイルは、犬の肉球ケアでも欠かせないオイルだと言えます。
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(写真のワンちゃん・・・daigoro_1024さんのダイゴロウちゃん)
靴下を履かせて保護する
最後に靴下をはかせる方法を紹介します。
やり方
靴下を一定時間、あるいは普段から履かせてあげます。
犬が靴下をはいて滑らないように、滑り止めがついた靴下が多数販売されています。
効果
肉球への刺激を減らすために、靴下を一定時間履かせることも効果的です。
クリーム等でマッサージした後に一定時間靴下を履かせれば保湿効果が期待できます。
また、刺激を減らすことができるので、普段から靴下を履かせる時間を設けていると、肉球の角質化を和らげる効果もあるでしょう。
人間用のクリームは使っても良い?
犬の肉球ケアをするためにはクリームを使ったマッサージが効果的ですが、人間用のクリームを使用しても良いのでしょうか?
人間用のクリームと比べると、犬用のクリームには以下のような違いがあります。
- 食品由来の成分が多く含まれている
- アルコール成分が含まれていない
- 香料が少ない、もしくは無香料のものが多い
食品由来の成分が多く含まれている
人が使うクリームと比べると、犬用のクリームには食品由来の成分が多く含まれています。
犬は好奇心から何でも舐めたり、食べたりしてしまいます。
そのため、犬用のクリームには「食べてもいい」「舐めてもいい」ように食品由来の成分が含まれているのです。
アルコール成分が含まれていない
犬にはアルコール分解酵素がありません。
少しでも体内にアルコールが入ってしまうと、急性アルコール中毒のようになってしまいます。
そのため、犬用のクリームにはアルコール成分が含まれていないのです。
香料が少ない、もしくは無香料のものが多い
犬の嗅覚ですが、刺激臭などは人の1億倍とも言われています。
そのため、犬用のクリームの多くは無香料のものが多いのです。
犬用のクリームがない場合の代用品
ここまで犬用クリームの特徴を説明してきましたが、人間用のクリームで犬にも使えるものもあります。
犬にも使えるクリームとして、下記のようなものが挙げられます。
- ワセリン
- 食用のオイル
ワセリン
白色のワセリンは純度が高く、犬が舐めても問題ありません。
獣医さんが肉球ケア用のクリームとして勧めてくることが多いのが特徴です。
食用のオイル
オリーブオイルやホホバオイルなどの食用油もクリームの代用品として安心して犬に使うことができます。
手作りクリーム
市販の犬用クリームを購入するだけでなく、自宅でも手作りの犬用のクリームを作ることができます。
自作クリームを作るメリットとして、自分で含有成分を選択できる点と、割安でクリームを作ることができる点があります。
用意する材料
用意する材料は下記の3つのみです。
- ホホバオイル
- ミツロウ
- シアバター
これらの材料は犬がなめる場合にも安心して使用することができます。
作り方の手順
作り方の手順は以下の通りです。
ボウルを温める
お湯を沸かして、鍋にボウルを入れます。
鍋をしばらく温め、ボウルが充分熱くなるまで待ちましょう。
計量した材料をボウルに入れる
ホホバオイルとミツロウを5対1の割合で計量します。
5対1を基準として、柔らかめにしたい場合はオイル多め、硬めにしたい場合はオイル少なめにしましょう。
湯煎で温めながら全ての材料を溶かす
湯煎で温めながらミツロウを溶かしていきます。
そして、シアバター(1g~2g前後)とお好みで精油(1摘ほど)を加えます。
材料がすべて溶けて混ぜ合わさったら、好みの容器に入れて冷ましましょう。
これで自家製肉球クリームの完成です。