犬のひげはカットしていい?ひげの役割・切るメリットを紹介!
犬にひげがある意味とは
犬にひげはありますが、その役割について知らない人も多いでしょう。
ここでは犬のひげの役割について紹介していきます。
犬のひげはどこに生えてるの?
太く長い形状で、口の周りを中心に頬やあごなどの場所から飛び出るような形で生えているのが普通です。
本数は犬種によって異なりますが、いずれの場合も数十本程度の少数に留まっています。
犬のひげの役割
ひげの根元周辺には神経が分布しています。
周囲の障害物を感知したり、平衡感覚を保つのがひげの役割です。
特にあごひげは食べ物を食べたり周囲を警戒する際に、わずかな刺激を正確に把握するのに役立っています。
犬のひげは『触毛』とも呼ばれていますが、これは外部からの刺激に反応するセンサーの役割があることに由来しています。
猫のひげとの違い
犬のひげと猫のひげの大きな違いは、犬のひげは神経と繋がっていませんが、猫のひげは神経と繋がっているということです。
例えば、狭い幅の通路を通る際に、猫はひげが通路に触れることで、すぐに通れる幅かどうか判断することができます。
しかし、犬の場合は空間を認識することができないため、通れない幅でも顔が通路に入ってから通れなかったと気づくのです。
このほかにも猫のひげには下記のような役割があります。
- 空気の流れを感じ取る
- 感情を表現できる
- 空間認識能力
- 平衡感覚を保つ など
猫は天敵や空気の流れを察知できないと、不安やストレスを感じてしまいます。
また、ひげがないと平衡感覚が保てないため、バランスをとることが難しくなってしまいます。
このように、猫のひげには犬よりも重要な役割があるのです。
飼い犬には必要ない?
ペットの身だしなみを整えるために伸びすぎた体毛をカットする場合、センサーとして機能しているひげはそのままにするべきとされています。
しかし犬の場合は、他の体毛と一緒にカットしても問題はありません。
捕食しないので生活に困らない
ペットとして飼育されている犬は、見晴らしの良い場所で暮らしていることが多く、捕食するために獲物を追いかけることもありません。
そのため、センサーの機能を持つひげがカットされても生活に困らないのです。
長すぎることによるデメリット
ひげを長く伸ばしすぎると、汚れが付着して見栄えが悪くなったり、悪臭を生じることもあります。
適度な長さに保つことが飼い主の責務と言えるでしょう。
犬のひげは伸びる?
ここからは、犬のひげの生え変わりについて解説していきます。
犬のひげが抜けるのは病気?
室内犬の場合、部屋の掃除中などに犬のひげが落ちているのを見たことはありませんか?
抜けた愛犬の毛を集める飼い主さんも少なくありませんが、全身の被毛よりも太いという特徴があるだけに、一本でも落ちていたら不安に感じてしまう方もいるでしょう。
しかし、ひげを含む体毛が抜けるのは自然なことなので心配はありません。
犬のひげは他の体毛と同様に、一定の速度で伸びた後、自然に抜け落ちます。
抜けた時に注意すべきこと
自然に抜ける犬のひげですが、一度に多くのひげが抜けたり、愛犬の様子に異変を感じた場合は注意して下さい。
皮膚病やケガなどの症状はないか、愛犬をよく観察してあげましょう。
また、投与している薬によって抜けてしまうこともあるようです。
ひげが生え変わる周期
犬のひげは一日で約0.3mm、一か月では約9cm~10cmほど伸びると言われています。
犬種によって多少の違いはありますが、半年ほどで抜け落ちて新しいひげが生えてきます。
急にひげが少なくなったり本数が増えたように見えることもありますが、これは毛根ごとに生え変わる周期がずれているためです。
ひげの硬さ
新しく生えてくるひげはやや柔らかいですが、やがて太く硬い形状に落ち着きます。
ひげの形状
形状はほぼ直毛ですが、犬種によっては縮れていることもあるので一定ではありません。
年齢による違い
若い犬ほどひげが早く伸び、生え変わる周期も短いのが普通です。
また、量が多くみずみずしい黒や茶色のひげとして生えます。
老犬のひげ
老犬の場合は古いひげがいつまでも残っていることが多く、一度抜けるとそのままの状態になり、新しく生えてこないことも珍しくありません。
色素が抜けて白髪の状態になったり、枝毛になるのも加齢に伴って起こる変化です。
人為的に抜くと毛穴が腫れてしまい、炎症などの不具合を起こすおそれもあるのでやめましょう。
犬のひげはカットしても平気?
前述しましたが、犬のひげは刺激を感知するセンサーの役割があるものの、カットしても問題はありません。
ほとんどの犬は臭覚や聴覚で周囲の状態を把握し、ひげの感知機能にはあまり頼っていないためです。
犬のひげはカットするべき?
特に室内で飼育されている犬は、ひげが引っかかって転んでしまうなど、長く伸びすぎたことによるトラブルに見舞われるおそれがあります。
愛犬を安全に飼育するためにも、ひげの適度なお手入れは必要不可欠と言えるでしょう。
また、清潔に保つことができるのも、ひげを切るメリットです。
子犬や老犬のひげは重要な役割がある
一方で、感知機能が低下するデメリットがあることも忘れてはいけません。
犬にとっては急に感覚が鈍ってしまうので不安になる可能性があります。
特にまだ感覚機能の発達していない子犬や、加齢により視覚や聴覚が衰えた老犬にとっては、ひげの触覚が役に立ちます。
周りが見えず、なにかにぶつかりそうな時にひげがあれば、察知できる可能性は高くなるでしょう。
カットする際の注意点
トイプードルのように毛が多い犬種は切り方にも工夫が必要です。
単に短くカットするのではなく、綺麗な形状に整えることが重要と言えます。
切りすぎに注意
顎の下は食べこぼしの汚れが付着しやすいので短くカットするのが理想的ですが、地肌を露出させてはいけません。
ふわふわした感じが残る程度の長さを保つのが、愛犬にストレスを与えず綺麗に仕上げるコツです。
素人作業では短く切り過ぎたり、ハサミで皮膚を傷つけるおそれがあるので、出費がかさんだとしてもトリミングサロンへ行くことをおすすめします。
▼トリミングサロンについての記事はこちら
ひげを触ると嫌がる理由
ほとんどの犬はひげを触られることを嫌がります。
長く一緒に暮らしている飼い主に対しても、ひげに触ると怒るのは珍しいことではありません。
触ると怒る理由
ひげに触られるのを嫌がる理由として、下記のようなことが挙げられます。
刺激を感知するセンサーのため
ひげには外部からの刺激を感知するセンサーの役割があり、そのセンサーに触れるのは人間で言えば急に目隠しをされるのとほぼ変わらないのです。
そのため、愛犬を撫でる際はひげに触れないように注意する必要があります。
ひげに触れても怒らないことがありますが、これは犬の性格の違いによるものなので、この種類の犬なら大丈夫ということはありません。
触るタイミングが良くない
食事中など、何かを行っている時にひげを触るのは犬を怒らせる原因なので避けましょう。
リラックスしているタイミングで優しく触れば怒らないこともあります。
犬が触られて嫌な場所
犬はひげの他にも触ると嫌がる場所として、下記のような部分が挙げられます。
- 尻尾
- 足(特に足先)
- 目の周り
- 口の周り(口先・口の中)
- 耳の中
- 肛門周り など
中には、頭を撫でられるのを怖がる犬もいます。
お腹を撫でるのは、愛犬が仰向けになり撫でてほしいアピールをしている時以外は避けた方が良いでしょう。
正しい撫で方
耳の付け根部分は嫌がらないことが多いので撫でるのに適していますが、頭上から手を振り下ろす形で撫でるのは犬を怖がらせる原因になります。
愛犬の目線より下から触れるのが正しい接し方になります。
急に嫌がるようになった
病気など、体の具合が悪い時はどの部分でも触られるのを嫌がるのが普通です。
いつもと違い急に嫌がるようになったら、病気の可能性があるので、動物病院で速やかに検査を受けさせることが大切です。
ひげはお守りにできる?
ペットのひげが部屋に落ちていると、少しラッキーと思ってしまいますよね。
猫のひげは世界各国でお守りとして扱われていますが、犬のひげはどうなのでしょうか?
猫のひげは幸運のひげ
猫のひげは幸運の髭とも呼ばれ、持てば財産が増えたり健康になると言われています。
また、猫は多産な動物なのでヨーロッパでは恋愛成就のシンボルとして親しまれています。
猫の爪
ひげと同様に猫の爪もお守りとして扱われることがありますが、これは猫の爪がいつまでも伸び続けることから、長寿や繁栄のご利益があるとされているためです。
犬のひげをお守りにするには
犬については、ひげや爪などがお守りになるという言い伝えがほとんどありません。
しかし、愛犬をいつまでも忘れないために、抜け落ちたひげをひげケースなどに入れて大切に保管する飼い主は少なくありません。
愛犬のひげを使ったお守りを手作りする場合、長持ちするように工夫することが重要になります。
清潔にする
ひげなどの体毛そのものは非常に丈夫ですが、表面に汚れや水が付着しているとその部分にカビが発生することがあります。
ひげをお守りとしていつまでも持ち続けるには、清潔な物を選び、作る際には素手で触らないことが重要なポイントです。
乾燥を保つ
ひげのお守りを傷めないためには日光に晒さず、乾燥した状態を保つのが適切と言えます。
冷蔵庫に入れるのが最適な保管方法ですが、使用できない場合はできるだけ温度変化が少ない暗所を選ぶことを忘れてはいけません。