猫のよだれは病気?よだれを垂らす理由や臭い対策・掃除方法を紹介!
猫がよだれを垂らすのは?
一般的に、猫はよだれがほとんど出ないと言われています。
犬は体温調節で口を開けて呼吸をするため、普段からよだれを出しています。
しかし、猫は体を舐めて体内の熱を逃がすため、よだれが目立つことはほとんどありません。
ここでは猫がよだれを垂らす原因について解説していきます。
よだれを垂らす時とは
よだれは自律神経である『交感神経』と『副交感神経』の分泌によって調整されています。
猫のよだれが出ているからといって、一概に病気が原因というわけではありません。
では猫のよだれの原因として、どんなことが考えられるのでしょうか。
緊張している時
猫は不慣れな環境でストレスを感じたり、興奮したりすると交感神経が刺激されます。
そのような緊張によって、ネバネバしたよだれを垂らすことがありますが、一時的なものなので様子を見てあげましょう。
幸せを感じている時
緊張している時とは逆に、リラックスをしたり幸せを感じたりすると、副交感神経が優位になります。
飼い主さんに撫でられたり、ゴロゴロ甘えながら出るよだれは、飼い主さんへの信頼のサインです。
寝ている時
猫が寝てる時はリラックスし、副交感神経が優位になっている状態です。
完全に熟睡していると、気持ちの良さからよだれが出る猫もいます。
また、お腹が空いた時にも副交感神経が刺激されると言われています。
茶色いよだれは病気?
出血によって血が混ざり、茶色くなっているようなよだれは、病気が原因かもしれません。
考えられる病気としては、下記のようなものが挙げられます。
腎不全
猫が高齢になると起こりやすいのが『腎不全』です。
腎不全を発症すると、腎臓の機能が低下し、通常尿から排泄される毒素や老廃物が排泄されず、体の中に溜まってしまいます。
下記のような症状が現れた時は、注意が必要です。
- 嘔吐を繰り返す
- 口臭がある
- 食欲が落ちた
- 痩せてきた など
進行してしまうと、全身にさまざまな悪影響が現れる危険性もあるため、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
歯周病
『歯周病』も高齢の猫に多い症状です。
増殖した細菌が作り出す毒素の影響で、歯ぐきに炎症が起こります。
炎症による痛みによって、よだれが出てしまうのです。
口内炎
『口内炎』や『歯肉炎』は、舌や歯ぐきに炎症が起こっている状態です。
そのため、炎症による違和感や痛みからよだれが出てしまうことがあります。
口内炎の原因としては、主に2つのことが考えられます。
歯石や歯垢が溜まっている
歯石や歯垢が溜まることで、細菌が繁殖し、舌や歯ぐきに炎症が起きます。
炎症による痛みで口が閉じられなくなったり、唾をうまく飲み込めなくなることによって、よだれが出ると言われています。
免疫力が落ちている
細菌やウイルスに感染した猫は、免疫力が下がり、口内炎になることがあります。
下記のような、ウイルスへの感染が疑われるでしょう。
- 猫白血病ウイルス
- 猫免疫不全ウイルス
- 猫カリシウイルス など
猫同士のケンカや、唾液からウイルスに感染してしまうことがあります。
発熱があったり、下痢やリンパの腫れなどの症状がある時は、獣医さんに相談して原因を検査してもらいましょう。
中毒
猫は中毒になる対象物が多く、中毒になると、よだれが大量に出ることがあります。
種類 | 例 |
食品 | チョコレートやココア、キシリトール、ネギ類 など |
薬品類 | 人間用の医薬品、ノミ・ダニ用駆除剤、接着剤、 洗剤 など |
植物 | ユリ科、アジサイ科、スミレ科、ツツジ科、バラ科 など |
実は、猫にとって毒性のある植物は、700種類以上もあると言われています。
人にとっては危険がないものも、猫にとっては取り返しのつかないことがあるため、意識して取り除いてあげるようにしましょう。
熱中症
『熱中症』の症状の一つとして、よだれを垂らすことがあります。
下記のような症状が現れた時は、熱中症かもしれません。
- 口を開けてよだれを垂らす
- 呼吸が荒くなる
- 嘔吐している など
熱中症を放置すると、意識がなくなっていく危険性もあるため、保冷剤や冷たいタオルで体を冷やし、全身の体温を下げてあげるようにしましょう。
猫のよだれが止まらない場合
愛猫のよだれが止まらないと心配になりますよね。
日頃からできるよだれの対策や、予防法はあるのでしょうか。
よだれ対策と予防法
よだれが止まらない時は、下記のようなことをすれば改善されるかもしれません。
緊張を和らげてあげる
猫の緊張や、興奮している状態を和らげてあげることが大切です。
猫に寄り添ったり、その猫の匂いがついたものを近くに置いたりして、リラックスできる環境を作ってあげましょう。
中毒を引き起こすものを選ばない
中毒を引き起こすものや、刺激物などは、なるべく猫が触れないところに置きましょう。
また、身の回りの観葉植物も、猫が中毒を引き起こすものを選ばないように気をつけましょう。
薬は水や食べ物と一緒に
猫は苦味に敏感なため、薬を飲ませる際によだれが出ることもあります。
服用後に、水や食べ物をとらせるようにしたり、猫の飲みやすい形状の薬を処方してもらうようにしましょう。
熱中症になる環境を作らない
熱中症は、風通しの悪い高温の環境で起こります。
夏場や暑い日はエアコンをつけるなど温度管理を行い、長時間暑い場所へ猫を放置しないように気をつけましょう。
▼猫にとっての快適な気温についての記事はこちら
猫のよだれが臭い
腐った臭いがするなど、猫の口臭がひどい時は、歯周病などの口腔トラブルかもしれません。
猫は歯垢が付着しやすいので、口腔内のケアが必須です。
歯周病によるよだれや口臭
歯周病にかかると、口臭が腐ったような臭いがします。
歯垢や歯石が付いていると、口の中の細菌が増殖し、臭いのある物質を生成します。
▼猫の口臭の原因&口臭ケアについての記事はこちら
歯周病の予防と対策
歯周病の予防には、口腔内のケアが必要です。
一般的な口腔内ケアの方法は『歯みがき』です。
歯みがきで歯垢除去
歯みがきをすることで、歯周病の原因となる歯垢の除去ができます。
歯周病になると炎症の痛みだけではなく、治療の際にも全身麻酔が必要になるなど猫に負担がかかります。
そうならないためにも、毎日のデンタルケアを心掛けましょう。
毎日口の中をチェックすることで、病気の早期発見にも繋がります。
歯みがきのやり方
歯みがきをする時は、猫が嫌がらないように少しずつ始めることがポイントです。
口を触ることに慣れさせる
成猫になってから歯磨きをはじめると、猫は嫌がりやすくなります。
できるならば、子猫の頃から、口周りや歯を触ることに慣れさせるようにしましょう。
初めは口の周りから、慣れてきらた前歯から奥歯まで触れるようにしましょう。
ガーゼや歯磨きシートを使う
奥歯に触ることに慣れてきたら、水気を含んだガーゼや歯磨きシートで歯を磨きましょう。
ガーゼや歯磨きシートに慣れてきた後は、歯ブラシにもチャレンジしてみて下さい。
歯ブラシで歯みがきする
歯みがきは、歯周ポケットに45度の角度で歯ブラシを当て、小刻みに優しく磨いてあげましょう。
一日にすべての歯を磨こうとすると、猫にとっては負担になるため、毎日少しずつ磨いていくのが口腔ケアのコツです。
▼猫の歯磨きのやり方についての記事はこちら
歯みがきを嫌がる時
無理やり歯みがきをしようとすると、猫はストレスを感じます。
どうしても嫌がる時には、口腔ケア用サプリを使うという方法があります。
しかし、歯周病を防ぐためには、少しずつでも歯を磨いてあげることが一番効果的です。
猫のよだれの掃除
猫のよだれは、粘性のものやゼリー状のもの、さらさらのもと様々です。
そんな猫のよだれを掃除するには、どのような方法があるのでしょうか。
よだれの拭き取り方
よだれを拭き取る方法として、次に2つを紹介します。
蒸しタオルで拭き取る
1つ目は蒸しタオルを使う方法です。
タオルを濡らしてレンジでチンしたり、適温のお湯にひたすだけで手軽に用意ができます。
温かい蒸しタオルで、口周りのよだれをきれいに拭き取ってあげましょう。
ペット用のボディタオルを使う
2つ目は市販されているペット用のボディタオルを使う方法です。
ペット用であれば、猫が万が一舐めても平気な成分が配合されているので安心です。
ペット用ボディタオルは、100枚入りセットなどがあり、使い捨てのため、汚れても洗う手間を省くことが可能です。
病気によるよだれの掃除方法
透明ではなく血が混じって茶色いよだれは、病気が原因の可能性があり、他の猫にも病気が感染する恐れがあります。
そのため、よだれを家中に垂らしてしまった時は、除菌が必要です。
また、臭いがきついこともあるので、臭いを残さないようにしましょう。
除菌シートや除菌スプレーを使う
臭いのきついよだれは、除菌効果のあるもので拭き取るようにしましょう。
猫にとって優しい成分のものを選ぶことも、大切なポイントの一つです。
除菌シートで拭いた後は、除菌スプレーも併用することで効果が高まります。
臭いの取り方
拭き取った後にも臭いが気になるときは、ペット用消臭剤を使用しましょう。
瞬間的に効果の高いスプレー型や、効果が持続する置き型など、複数のタイプから適したものを選ぶことが出来ます。