猫の過剰グルーミングをやめさせる!舐める原因や薬・サプリの効果
過剰グルーミングの原因
猫の習性であるグルーミングですが、過剰にしている場合は注意が必要です。
『過剰グルーミング』は全身を舐める正常なものとは異なり、身体のある一部分を過剰に舐めることを指します。
過剰に舐めることで、一部分の毛がハゲたりうすくなってしまうこともあります。
さらに、猫のザラザラとした舌でむきだしになった皮膚を舐め続けると、『舐性皮膚炎』という炎症を起こしたり感染症になる危険性もあるため注意が必要です。
このような過剰グルーミングは、どのような原因によって引き起こされるのでしょうか?
ストレス
本来グルーミングは、被毛を清潔に保つ以外に、心を落ち着かせるための行動でもあります。
そのようなグルーミングが過剰になる原因のほとんどが、『心因性ストレス』だと言われています。
ここでは猫の心因性ストレスとなる原因を見ていきましょう。
かまってもらえなくなった
下記のように家庭の環境が変わり、飼い主さんがかまってあげられないと猫はストレスを感じてしまいます。
- 赤ちゃんが生まれた
- 忙しい
- 同居家族が増えた
- 新しい猫を迎え入れた など
また、警戒心が強く、縄張り意識が高い猫にとって、一緒に生活する家族が増えるなどの変化はストレスの原因になることがあります。
環境が変わった
下記のような人間にとっては心地良い生活環境の変化でも、においや音などに敏感な猫には大きな負担となることがあります。
- 引っ越しをした
- 部屋の模様替えをした
- 騒音がひどい
- 芳香剤や消臭剤によって部屋のにおいが変わった など
トイレに不満がある
いつも使用していたトイレに変化があったり、場所に不満があるなどの理由でも、猫はストレスを感じる可能性があります。
- トイレが汚い
- 人の行き来が多く、安心して用をたせない
- トイレから別の猫のにおいがする など
腰トントン
猫のしっぽの付け根には、『仙骨』という神経が密集している骨があります。
この骨の中には生殖器につながる神経もあるため、猫にとって『腰トントン』は気持ちが良いとされています。
腰トントンは危険?
気持ち良さそうにする猫の姿が可愛らしくて、ついついやってしまいたくなりますよね。
しかし、腰トントンのやりすぎは過剰グルーミングの原因になると考えられています。
因果関係は不明ですが、過度にやらないように気をつけましょう。
皮膚のトラブル
皮膚のかゆみや違和感によって、過剰にグルーミングをしてしまうケースもあります。
- ノミやダニなどの寄生虫
- 細菌やカビなどの感染症
- アレルギーやアトピー性の皮膚炎 など
原因がわかれば、そこから愛猫を遠ざけてあげることもできるため、早めに病院で検査することをおすすめします。
過剰グルーミングをやめさせる
愛猫の過剰に舐めるのをやめさせるには、どうしたら良いのでしょうか。
ここでは2つの対処法を紹介します。
生活環境を改善する
過剰グルーミングが生活環境の変化によるものならば、それによってかかるストレスを取り除く必要があります。
猫がストレスをうまく発散できる環境を作ってあげるようにしましょう。
- 猫専用のスペースを作る
- 部屋の香りを見直す
- トイレを清潔に保つ など
猫専用のスペースを作る
猫専用のスペースなど、猫が安心して落ち着ける環境を作るとストレスが軽減されることがあります。
部屋の香りを見直す
部屋のにおいが変わった場合は、芳香剤や消臭剤の使用を一度やめてみて、猫の様子をうかがいましょう。
香りのなかにはフェノールやアルコールなど、猫が代謝できない成分が入っていることもあります。
また、アロマオイルなどで人気のレモンやオレンジのような柑橘系の香りも猫は苦手とされています。
トイレを清潔に保つ
トイレがストレスになっている場合は、こまめに掃除をしたり、猫砂を変えてみるなどを試してみて下さい。
トイレの大きさが合っているかなども気にかけてあげることが大切なポイントです。
できるだけ猫と触れ合う
かまってあげる時間が少なくなったことにより過剰グルーミングをしているのならば、できるだけ猫と触れ合う時間を作るように意識しましょう。
飼い主さんが積極的に猫とコミュニケーションを取ることで、過剰グルーミングから気をそらすこともできます。
ブラッシングや爪切りなどのお手入れをするついでにスキンシップを取ってあげましょう。
薬でグルーミング治療
猫の過剰グルーミングは、薬で治療することができます。
皮膚トラブルの治療
アレルギーや寄生虫、アトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルは、猫の体に強いかゆみが出るため下記のような行動が見られます。
- 体をしきりにかく
- かゆい部分を過剰に舐める
- 脱毛
- 皮膚にブツブツができる
- 赤みがある など
皮膚トラブルの疑いがある行動や症状が現れたときには、動物病院で原因を明らかにしたうえで、適切な薬を処方してもらいましょう。
猫用のものを使用する
かゆみ止めの効果があるスプレーや、塗り薬などは市販で買うこともできます。
人間用の薬は使用せず、必ず猫用のものを購入してください。
患部を舐めないように対策する
塗り薬を使用したときには、猫が患部を舐めないように対策する必要があります。
グルーミング対策用の洋服やエリザベスカラーを使用して、強制的にグルーミングをさせない方法をとると良いでしょう。
▼猫の皮膚病の原因と対策についての記事はこちら
心因性ストレスの治療
心因性ストレスとなっている原因を改善してみても過剰グルーミングをやめないときには、動物病院で診てもらいましょう。
ストレスを軽減したり、不安な気持ちを落ち着かせる内服薬を処方してくれます。
病院によっては薬だけでなく行動療法を行っているため、ネットで調べたうえで治療を受けてみることをおすすめします。
▼猫がはげる原因についての記事はこちら
グルーミング改善サプリ
過剰グルーミングを改善するためのサプリメントもあります。
サプリメントなら、塗り薬のように猫が患部を舐めてしまう心配もありません。
皮膚トラブルのサプリメント
皮膚トラブルが原因の場合は、ノミやダニなどの寄生虫、アレルギーなどの原因によって与えるサプリメントが異なります。
そのため、原因を明らかにしてから適切なサプリメントを与えましょう。
粉タイプもある
カプセルタイプだけではなく、粉タイプのものもあるので、食事に混ぜて与えることもできます。
カプセルを飲み込むことが苦手な猫にも安心して与えられる方法なのでおすすめです。
心因性ストレスのサプリメント
心因性ストレスが原因の場合は、グルーミング改善サプリメントを試してみるのも良いでしょう。
グルーミング改善サプリメントは、猫の不安な気持ちやストレスを緩和し、リラックス効果をもたらしてくれます。
留守番中、旅行中など不安やストレスを感じやすい場面で使用することもできるため、常備しておくと安心です。
グルーミング対策の洋服
グルーミング対策として、洋服を着せたり、エリザベスカラーをつけたりする方法があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
皮膚を保護できる服を購入する
『皮膚保護服』は、顔や手足の一部、お腹、おしりなど以外の部分を覆い、保護するための猫服です。
皮膚保護服には、下記のような猫が快適に過ごせるように工夫されたものが多数販売されています。
- 縫い目が表側になっていて刺激が少ない
- 紫外線カット
- 夏は涼しく冬はあたたかい
- 伸縮性、吸水速乾性に優れた素材
- 抗菌・防臭機能
- 静電気抑制
- 着用したまま排泄可 など
多くの皮膚保護服は、着用したまま排泄ができるためトイレの心配もありません。
見た目も可愛らしいものが多く種類やサイズは豊富です。
保護できる面積や形状、素材も様々なので、愛猫に合ったものを選んであげましょう。
この投稿をInstagramで見る
(写真のネコちゃん・・・bibiri0601さんのこっこちゃん)
この投稿をInstagramで見る
(写真のネコちゃん・・・kabo_su.kissa.cotiさんのかぼすちゃん)
皮膚を保護できる服を手作りしてみる
皮膚保護服は購入のみならず、手作りすることも可能です。
使わなくなったTシャツやレッグウォーマーをリメイクして作ることができるため、経済的にも安心です。
皮膚炎などの皮膚トラブルがある猫へ着用させるときには、使用する素材が負担のないものか確認しましょう。
エリザベスカラーをつける
エリザベスカラーをつけて、物理的に過剰グルーミングをさせないようにするのも良いでしょう。
エリザベスカラーは、ラッパのような形状をしていて、犬猫などペットの首に付けることで患部を舐めないようにすることができる保護具です。
エリザベスカラーは皮膚に塗った薬を猫が舐めてしまうことを防ぐ効果もあるため、塗り薬を使用した際にもおすすめです。
ただし、洋服を着ることやエリザベスカラーを使用すること自体がストレスになってしまう猫もいるため、ストレスになるようであれば使用は避けましょう。
様々な素材がある
最近ではクッションタイプややわらかい素材のものなど、ストレスになりにくいように工夫されたエリザベスカラーが豊富に販売されています。
愛猫が心地良いと思う素材で選んでみましょう。
▼エリザベスカラーについての記事はこちら!