猫の目の病気について解説!目やに、白く濁るなど症状別に紹介!
猫の目が白く濁る
人は高齢になると、目が白濁して視界が悪くなることがありますが、猫にも同じような症状が現れることがあります。
目が白くなる病気は『白内障』と呼ばれ、高齢の猫によくみられる症状です。
猫の白内障はどんな原因で発症し、どのような対処法があるのでしょうか。
猫の白内障とは
白内障は、目の中の水晶体と呼ばれるレンズが濁ることで発症します。
症状が進行すると、目の中に白い点が見られたり、視界が濁るなどの障害が起こります。
しかし、猫は視覚よりも嗅覚や聴覚が発達しているため、生活や動きに明らかな異常が現れにくいと言われています。
片目だけ症状が出ているときも、もう片方の目で補うことができるので、日常生活に支障はないように見えます。
下記のような症状が現れたときは、進行が進み、視力の障害が起こっているかもしれません。
- 物にぶつかる
- 鈍い動きをする
- 視線がずれ、目が合わなくなる
- 物音に敏感に反応する など
猫の白内障は気づきにくいため、日頃の観察と健康管理など、病気の早期発見を心掛けましょう。
白内障は治るの?
白内障は、放っておいても致命的な病気ではありませんが、内科治療、また外科治療をすることによって症状を改善することができます。
初期の段階であれば、内科治療の点眼薬などによって、病状の進行を遅らせることができます。
しかし、根本的な解決にはならないため、進行が進んでいる時は外科治療が必要となるでしょう。
外科治療では、水晶体の濁りを取る手術を行うことで視力の復活も期待できるため、動物病院へ相談してみましょう。
猫の目が腫れる
猫の目の腫れには様々な原因が考えられ、重症化してしまうこともあります。
ここでは目の腫れの症状や、原因についてご紹介していきます。
眼球が腫れている
眼球が全体的に腫れぼったい、大きくなっているような時は、『緑内障』にかかっている可能性があります。
緑内障は、進行することで視力の低下につながり、ひどい場合は失明してしまうこともあります。
眼球の腫れや、目を痛そうにしているなどの症状がみられる時は、早めに受診するようにしましょう。
結膜が腫れている
人も『結膜炎』になることがありますが、猫も同様に結膜炎を患うことがあります。
結膜炎は、ホコリやゴミなどが目に入り、炎症が起きることで発症します。
結膜炎を引き起こすと、猫の目は充血して赤くなり、目のふちに涙や目やにが出るようになります。
かゆみを伴うことが多く、目の周りを引っ掻くような仕草をすることがあるでしょう。
猫ヘルペスウイルスとは
結膜炎の原因として『猫ヘルペスウイルス』の感染があげられます。
猫ヘルペスウイルスは、『猫ウイルス性鼻気管炎』『猫風邪』とも呼ばれ、結膜炎や鼻炎などを引き起こす感染症のひとつとなっています。
くしゃみや目の充血、涙目になるなど風邪のような初期症状があり、発熱やだるさ、食欲不振などが現れることもあります。
▼猫風邪や免疫力についての記事はこちら!
ウイルス性は感染が広まりやすい?
『ウイルス性の結膜炎』は、野良猫や病気を持っている猫と接触することで、感染が広まる危険性があります。
目の周りの炎症は、擦ると余計に酷くなってしまうため、早めに病院に連れていくことをおすすめします。
『エリザベスカラー』を付けて、掻くことを防ぐだけでも悪化を防ぐことができます。
エリザベスカラー・・・手術やケガなどによる傷口を、猫が舐めて悪化することを防止するため、首回りに巻いて使用する円錐台形状の保護器具になります。
▼エリザベスカラーについての記事はこちら!
まぶたが腫れている
目の上が腫れるのは、『麦粒腫(ばくりゅうしゅ)』にかかっているかもしれせん。
一般的に『ものもらい』と呼ばれる症状です。
猫同士のケンカの際に、目を引っ掻かれたりすることが原因で発症することもあるため、傷がないかなど、日頃から気を配ることが大切です。
いずれの症状も、目の周りを清潔にして傷つけないようにし、なるべく早く病院にかかることで悪化を最小限に抑えることができます。
猫の目が赤い
猫の目が赤くなっているときは、どのような病気が考えられるのでしょうか。
目が赤くなる原因
前述したように、結膜炎やものもらいなどの可能性もありますが、それ以外にも目の赤みを引き起こす病気があります。
猫の目が赤くなる原因として、下記のようなものが考えられます。
- 結膜炎
- 眼瞼炎
- ぶどう膜炎
- アレルギー
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫ヘルペスウイルス感染症
- クラミジア感染症
- 緑内障
- 白内障 など
原因として、ゴミやホコリなどの汚れ、アレルギーなどの痒みで目を傷つけ、『ヘルペス』や『クラミジア』といった細菌より発症することが多くあります。
大きな病気が隠れていることも
目の充血は、目の病気だけではなく、高血圧や心臓病など全身の病気が原因で起こることもあります。
また、「目が赤いのは単なるアレルギーだろう」と放っておいたら、緑内障や白内障になっていたという事例もあります。
おかしいと思ったら、「単なる充血だ」と甘く見ずに、獣医さんに相談するようにしましょう。
▼猫の食物アレルギーについての記事はこちら
猫の目やに
目やには健康な状態でも自然と出るものですが、病気で出ていることもあります。
猫の目やにに気づいたら、まずは『正常な目やに』なのか『異常な目やに』なのかを確認し、適切に対処することが大切です。
正常な目やに
目は外気に触れている器官です。
ホコリやゴミが目の中へ入ると、侵入してきた汚れを目の外へ排出しようとします。
このように、『汚れが目の中の水分と混ざって排出されたもの』が目やにとなります。
目やにが出るのは猫にとってもごく普通の生理現象なので、茶色っぽくて少量の目やには、心配する必要はありません。
異常な目やに
目やには正常時でも老廃物として出るものですが、下記のような目やにが出ているときは注意が必要です。
- 膿のような濃い黄色
- 緑色
- ネバネバしている
- 量が多い など
このような時は、目のトラブルが原因で目やにが出ているかもしれません。
猫風邪や、結膜炎、角膜炎など炎症を起こしていたり、鼻炎やアレルギー症状など、さまざまな原因が隠れています。
目やにの色が違ったり、目が開かないなどの症状が現れた時は、目やに以外にも異常がないか確認し、獣医さんに相談するようにしましょう。
▼猫の鼻炎についての記事はこちら!
猫の目の病気はうつる?
愛猫が目の病気にかかってしまった場合、他の猫や人にうつる心配はないのでしょうか。
多頭飼いで他にも猫を飼っていたり、子供がいる家庭などは、周囲への感染が特に心配ですよね。
周囲への影響は、『単に汚れや傷が原因で起きている』か『ウイルス性である』など、その病気の原因によって変わります。
汚れなどが原因
汚れやホコリなどが原因で引き起こされた目やには、人はもちろんのこと、他の猫にうつる心配はありません。
しかし、多頭飼いでは猫同士のケンカやじゃれあいによって、猫の患部を傷つけてしまうことがあります。
良くなるまではストレスにならない程度に、他の猫と距離をとって生活させてあげるようにしましょう。
ウイルス性である
ヘルペスウイルスやクラミジアウイルスなど、ウイルスが原因の目の病気は、目やにや涙などを通して周囲の猫にうつる可能性があります。
特に猫同士が接触すると、ウイルス感染の危険性は高まるため、治療で症状が落ち着くまでは病気の猫を他の猫から離す必要があります。
ウイルス性は人にもうつるの?
結論からお伝えすると、「人にうつる可能性は低い」と言われています。
しかし、ウイルスは日々変異しており、感染の危険性はゼロではないため、手洗いなどをしっかり行うことが大切です。
免疫力の低い人やお年寄り、小さなお子様はなるべく病気の猫と距離をとらせた方が安心です。